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| このムービー作成において、最初に意見が分かれたのが、主人公ケリーの体の色をどうするかでした。 ケリーの体の色は「淡い緑色」というのがヨシムラ君のイメージだったのです。 しかし私は、「他の色にするか、際立った緑色の方が、目だって良いのでは?」という意見を出しました。 私がそう思ったのはバルール(色価)と呼ばれる色の対比を気にしたためです。 バルールとは色の彩度や明度(鮮やかさや調子)の対比によって生じる、色の目立ち具合の事です。 簡単に言うと、全体の中で目立っている色があるとすると、その色は他に比べて「バルールが高い」と言えるのです。 風景とケリーが同系色になると、ケリーが沈んで見えるので、体の色のバルールを上げては?と思ったのです。 |
| しかしヨシムラ君は私とは別の観点で色を考えていました。 彼が考えていたのは「奥行き」をどう表現するか、という事でした。 今回のムービーでは、ケリー本人が奥行き方向に向かって「真中」にいる場合が多いのです。 一番手前の部分はタバコや植物の茎のアップ。 奥行き方向の中央がケリー。 一番奥が茂っている植物の茎。 この奥行き方向の対比を出すために、ケリーのバルールを抑える事にしたのです。 右のイメージのように、バルールが高すぎる左側のケリーの方が、気のせいか近くに見えてしまいます。 景色の奥行きを表現して、ケリーが手前の茎よりも奥にいる、という表現のために、あえてバルールを抑えたわけです。 |
![]() 色価が強すぎると近くに見えてしまう! |
| 主役といえど、全体の中でのバランスとして、必要以上に目立つわけには行きません。 もし皆さんが自分でCGを作成する場合、静止画であってもムービーであっても、色の対比やバルール については十分に注意を払う事が必要です。 バルールに関する基本的な約束事としては、以下のようなポイントがあります。 ・バルールの高い色は、画面の中で1番目を引きつける。 ・従ってどこに置かれても、画面全体の主役になる。 ・しかし高いバルールの物体を、極端に端に置くとバランスが崩れる。 ・手前の物体はバルールを高く、奥側は低くというのが一般的。 是非こういった事は覚えておいてください。 |