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富士通のFeliCaソリューション

ソリューション紹介 先進導入事例 開発物語
FMV-LIFEBOOK開発物語 世界初のFeliCa対応リーダ/ライタ内蔵ノートPC セキュリティと利便性を両立
世界で初めて「FeliCa」対応のリーダ/ライタを内蔵したノートPC「FMV-830NA/L」の開発メンバー
PHOTO 1 世界で初めてFeliCa対応リーダ/ライタを内蔵したノートPC「FMV-830NA/L」の写真
PHOTO 1 世界で初めてFeliCa対応リーダ/ライタを内蔵したノートPC「FMV-830NA/L」

「FeliCa」(フェリカ)--その用語を聞いてピンと来なくても、鉄道の改札口でタッチするだけで通れる定期券や乗車券(JR東日本の「Suica」、JR西日本の「ICOCA」など)や、NTTドコモが2004年6月からサービスを開始した携帯電話による決済・認証サービス(「おサイフケータイ」)に利用されている非接触ICカードの技術、と言えば誰もがイメージできるだろう。
そのFeliCaが実現するセキュリティ機能をノートPCで駆使できるよう、FeliCa対応リーダ/ライタを世界で初めて内蔵したノートPCが富士通の「FMV-LIFEBOOK」シリーズの「NA/L」だ(PHOTO 1)。
それでは、なぜFeliCaのような先端技術を搭載することになったのだろうか。具体的な開発ストーリーに入る前に、まずその背景を確認しておこう。
不正アクセス、情報漏えい、盗難、ウイルス――PCにおける4つの脅威
近年たびたび報道されている個人情報漏えいの問題は、いまや企業にとって大きな脅威となっている。個人情報だけでなく取引先情報、機密情報など、企業が厳格に管理すべき情報は多岐にわたる。情報化の進展に伴い、こうしたセキュリティ上の脅威も増大している。

今日のビジネスでPCを抜きには考えられない。それだけに、セキュリティ対策を実施する際に、最も注意が必要なのは情報の出入口に当たるPCだ。

富士通でPCにおけるセキュリティ全般を担当している和田篤志(パーソナルビジネス本部ユビキタスクライアント事業部)は、PCに対する脅威について「大きく4つあります。第1になりすましなどの不正アクセス、第2にデータをコピーして盗み出してしまうような情報漏えい、第3に盗難、第4にウイルス感染。当社では、それぞれの脅威に対策を施した製品を拡充してきました」と語る。

PCにおける広範なセキュリティ領域に対応するため、富士通は90年代後半から準備を進めてきた。不正アクセス防止の観点では、ICカードへの対応や指紋認証をPCに導入。富士通の携帯電話にも、この指紋認証は採用されている。

情報漏えい対策の代表例としては、セキュリティチップが挙げられる。これは、重要な情報は専用チップの中で管理するというもの。また、廃棄後にハードディスク内の情報が修復ソフトによって流出するのをガードする専用ソフトもPCに添付している。さらに、PCを机などにワイヤーで固定するためのケンジントンロックへの対応(盗難対策)、ウイルス対策ソフトのバンドルなども進めてきた。

PCのマーケティングを担当する丸子正道(パーソナルマーケティング統括部)は、「セキュリティへのニーズが高まってきたのは最近のことですが、当社は早い時期からPCセキュリティを高める対策を進めてきました。これほど幅広いセキュリティソリューションを用意しているメーカーは、珍しいのではないでしょうか。」と、その自信を語る。富士通のそうしたセキュリティソリューションへの長い取り組みの中から、非接触ICカード技術方式FeliCa対応リーダ/ライタを内蔵したノートPCが世界で始めて誕生したわけだ。
耐久性や利便性で優れる非接触ICカード
実は、不正アクセス防止のICカードについては、富士通は数年前から「スマートカード」を販売している。これはPCのスロットに差し込んで本人認証を行うという接触型のカード。これを用いることで、業務アプリケーションへのアクセス制限やログの管理が可能になる。これらはPCに搭載されたアプリケーションとの連携で可能になった機能で、今回の新製品にも受け継がれている。

ただ、接触型のカードにはいくつかの制約があった。今回のプロジェクトの初期から関わり、企画開発、商談支援を担当している土村忠生(プラットフォームソリューションセンター システムプロダクト技術部セキュアプロダクトプロジェクトリーダー)は、次のように説明する。「接触型ICカードではチップの位置が決まっているので、PCに差し込む際に間違えて裏表や前後を逆にすると読み取れません」。ということは、カードに表示があったとしても、使用環境が薄暗かったり慌ただしかったりすると、正しく挿入できない確率は高まる。これでは不便。FeliCa対応リーダ/ライタモジュールの開発に当たった瀧本剛(モバイルPC事業部開発部)も、実際、接触型のデメリットを感じていた。「接触型には文字通り、接触する部分があります。長年使いこむと、摩擦でいたむこともあるでしょう。耐久性の点で、不安があったことは確かです」。

こうして、非接触ICカードを内蔵のモジュールで読み書きできるPCを製品化したいとの思いが、開発メンバーたちに共有されていった。

非接触ICカード技術方式として、いま最も多くの実績を誇っているのがソニーのFeliCa。冒頭で紹介したJR東日本が導入した「Suica」は、2001年11月に導入されてからあっという間に定着、その後、多数の企業がFeliCaを導入している。富士通も早い時期から、その技術に注目していた。

「FeliCa対応リーダ/ライタを内蔵したPCというアイデアが生まれたのは、2002年ごろだったと思います。企業のセキュリティ意識の高まりを背景に、当時、かなりの企業に接触型ICカードのソリューションを提供していました」と土村は語る。ちょうどその頃、あるお客様から、ICカードに重要な情報を格納しているのであれば、なおさら肌身離さずに非接触で使えるようにするべき。パソコンに挿入しっぱなしにするのは逆に問題ではないか?と問われ、返答に苦慮した苦い経験が土村にはあった。土村から、さっそく相談を持ちかけられた開発部メンバーの一人、モジュール開発を担当した吉田慎二(モバイルPC事業部開発部プロジェクト課長)は、「以前からセキュリティに関するミーティングを定期的に持っていたのですが、そうした席でも非接触型のメリットが語られていました。ですから、すぐに『やってみよう』ということになりました」と当時を思い出す。

こうして始まった「FeliCa対応リーダ/ライタ内蔵PC開発プロジェクト」だが、完成までの道のりは決して平坦ではなかった。

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※ FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
※ FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式です。
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