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PCセキュリティソリューション 導入事例

バイオ認証装置導入事例-富士通コミュニケーションサービス株式会社

顧客情報の確実な保護のため、指紋認証をはじめとした様々なセキュリティ環境を構築

秋山 仁 氏

第一事業部
第二サポート部長
秋山 仁 氏

篠原 誠志 氏

第一事業部
第二サポート部
篠原 誠志 氏

富士通コミュニケーションサービスは、富士通の個人向けPC製品のサポートを提供している。万一の災害や障害に備えて、北九州、川崎、新潟に拠点を持ち、全国の顧客に24時間365日のサポートを提供。なかでも北九州サポートセンターは、2006年10月にコールセンター利用を設計時から考慮した新しいビルを建築し、指紋認証をはじめとする高度なセキュリティで、重要な顧客情報を確実かつ効率的に守る環境を実現した。

用途に応じたきめ細やかなセキュリティ対策が可能な新ビルを建築

平日の昼間働いている人がプライベートでPCを利用するのは、必然的に休日や夜間が多い。富士通は、そういう人たちの夜間帯の技術サポートニーズに応じ、24時間365日のサポートを提供している。 それを実際に支えているのが、富士通コミュニケーションサービスの北九州サポートセンターだ。北九州サポートセンターは3拠点の中で最大の規模を持ち、現在は250席で24時間体制のサポートにあたっている。席数は入電の状況に合わせ増強すること も可能だ。その北九州サポートセンターは、新たにサポートセンター用に設計したビルに移転、2006年10月14日より稼働を開始した。

■サポートセンターのエリア別セキュリティレベル設定

サポートセンターのエリア別セキュリティレベル設定

膨大な個人情報を扱うサポートセンターを運用するにあたって、富士通コミュニケーションサービスは、プライバシーマークを取得するなどセキュリティに配慮した取り組みを行ってきた。その配慮は今回のビルの設計にも活かされており、入退室の管理はセキュリティが設定されてないレベル0から、マシンルーム、プリントやコピーができる出力エリアなど関係者の中でも特定の人しか入ることができないレベル4までの5段階に設定。これらのレベルは各部屋の入り口などに表示してあり、誰が見てもわかるようになっている。

各部屋への入退室にはICカードが利用され、ログを取得。レベル2までは入る時のみのチェックだが、レベル3以上は出入りの両方に認証が必要で、さらにマシンルームは生体認証(静脈認証)による極めて高い精度での本人認証が必要となっている。サポートの責任者である第一事業部 第二サポート部長 秋山 仁氏は、「ロッカーのエリアはレベル2で、サポートエリアはレベル3とレベルがわかれており、スタッフは私物をすべてロッカーに置いて、基本的に身一つでサポートエリアに入室することになります。監視カメラもすべてのドア、サポートエリア内の随所に設置され、不正行為の抑止効果と、万一起きてしまったときの速やかな事実確認が行える体制を整えています」と語っている。

■マシンルームの静脈認証

マシンルームの静脈認証

最高セキュリティレベル(レベル4)のマシンルームの入退室には、手のひらの静脈による生体認証を利用している。

■各エリアへのドア

各エリアへのドア

各エリアの出入り口にはセキュリティレベルを表示。誰もがセキュリティレベルを意識できるようにしている。

顧客情報へアクセス可能な端末は、指紋認証で確実にガード

これらの設備のなかでも同社が最も注力しているのが、顧客データベース(DB)のセキュリティである。コミュニケーター(サポートスタッフ)の顧客DB端末(サポート端末)へのWindowsログオンには指紋認証を利用。これを管理しているのが、バイオ認証装置だ。 バイオ認証装置は、指紋などの生体データを安全に一括管理し、Windowsログオンをはじめ各種アプ リケーションへのログオンを、生体データの認証により代行する装置である。スタッフの拠点間の異動は基本的にはないため、バイオ認証装置は拠点ごとに管理し、二重化により万一の障害に備えている。

■システム構成図

指紋認証の基本構成

バイオ認証装置は、最高のセキュリティレベルのマシンルームに置かれ、二重化により万一の障害に備えている。
※バイオ認証装置は旧機種であるFMSE-C201×2台を導入している。

同社が指紋認証を採用したのは、2005年1月からである。それまで同社は、IDとパスワードでWindowsログオンを行っていた。同社が指紋認証に切り替えたのは、膨大な個人情報を保有する企業として確実に顧客データを守る必要性があったこと。そして同時に作業効率を上げ、顧客への素早い回答を実現すると共に、生産性を向上させたかったこと。さらには雇用形態が混在し人の出入りが多いサポートセンターでの、確実な本人認証によるアクセス管理を行いたかったからだ。

その理由を秋山氏は、「まず個人情報保護法により個人情報に対するセキュリティの強化が求められたことです。また、PCは離席したりするとすぐスクリーンロックがかかる設定にしているのですが、その解除を素早く行い、作業効率を上げたいと思っていました。 それにより、お客様への迅速な回答が実現すれば、より顧客満足度の高いサービスの提供にもつながります。さらに、サポートセンターは正社員、契約社員、派遣社員とさまざまな雇用形態が混在しており、人の出入りも少なくありません。そのような環境で、人に確実に紐付いた管理ができるものとして指紋を選定しました」と説明する。

それに加えて、同サポートセンターのスーパーバイザーで、サポートのインフラやFAQの構築なども担当する第一事業部 第二サポート部 篠原誠志氏は、「従来はプライバシーマークによって、長いパスワードが要求され、かつ60日に1回は変更しなければなりませんでした。そのため、管理部門に対してパスワードを忘れたという問い合わせが、週に1、2度の頻度で寄せられていました。それ自体管理部門にとって手間ですし、コミュニケーターの仕事もその間止まってしまいます。その解決策としても期待しました」と語っている。

ログオンがスムーズになり、コミュニケーターにも好評

指紋は個人を特定できるデータであるため、その採取には慎重を期した。まず全員に理解してもらうため、イントラネットで趣旨を説明し、実際に同意の意思を表明してもらった。また、想定される質問は管理者で共有し、質問を受けた場合は、個別にきちんと答えるようにした。もっともスタッフたちも問題意識を持っていたようで、強い不満はなかったという。

最初に指紋を登録する際、右の人差し指ともう一本スペアの指紋を採取したが、なかには指が非常に乾燥していたため、データ採取が困難な人がわずかながらいた。しかし、外付け指紋センサーの“乾燥モード”を利用することで、そういう人の指紋も採取できた。 稼働後の誤認識もほとんどなく、スタッフからも好評だという。「以前のパスワードは長く入力が面倒だったが、認証が楽になったと好評です。 運用の中で、たとえば前の指紋が残って誤認識しないよう、センサー部分を拭いてから指を乗せるようにするなど、慣れによって効率も上がっています。当社では“高セキュリティモード(指紋認証しか受け付けず、パスワードによる回避ができないモード)”で使っていますが、まったく問題ないですね」(篠原氏)

■指紋認証でログオン

指紋認証でログオン

■指紋認識装置

FinSenser(フィンセンサー)

■ログオン画面

ログオン画面

※本ログオン画面は旧機種(FMSE-C201)に添付のアプリケーション画面であり、現在の画面とは異なります。

指紋認証は、PCにUSBで接続した外付け指紋センサー「指紋認識装置」で行っている。

顧客DBは、閉じたイントラネットで管理するなど、さまざまな施策で顧客情報を保護

サポート端末の工夫はこれだけではない。コミュニケーターが利用する端末は2台あり、サポート端末以外にもインターネット端末が用意されている。これは、サポート中に顧客が閲覧しているサポートサイトを確認して誘導したり、必要に応じて調べ物をするためのものだが、そのネットワークと顧客情報を閲覧するネットワークは物理的に完全に切り離されている。顧客DBにアクセス可能なサポート端末はイントラネットにしか接続できないので、外部から顧客DBに侵入される恐れはない。

また、USBポートもBIOSレベルで使用不可に設定しており、システム管理者以外は解除できない。さらに、デスクトップやマイドキュメント等のファイル保存先を自動的にサーバ側へ切り替える Active Directory の「リダイレクト機能」を利用することで、コミュニケーターのPCにはデータが一切保存されないようになっている。プリント出力も、リーダー以上にしか許されていない。

■コミュニケーターのデスク

コミュニケーターのデスク

コミュニケーターのデスクには、サポート端末の他にインターネット端末も用意されており、調べ物などができる。この2つの端末が接続するネットワークは物理的に分かれている。

■物理的に端末を2つに分けて強固なセキュリティを実現

物理的に端末を2つに分けて強固なセキュリティを実現

コミュニケーターが働きやすい環境整備により、顧客サービス向上を目指す

北九州サポートセンターの新しいファシリティは、セキュリティ強化だけでなく、さまざまな配慮で、コミュニケーターが働きやすい環境を整備。安定的に顧客に対して行き届いたサポートを提供するための配慮がなされている。

たとえば、電話で長時間話をするコミュニケーターの喉を痛めないよう、湿度を加えつつ暖房をかけられるようするなど、サポートセンター向けに特化した機能を備えている。また、ひたすら電話で話をするという仕事は心身共に消耗するため、カウンセリングルームやベッドを置いた休養室、さらにマッサージチェアを用意したサイレントルームなど、リフレッシュできる空間を用意している。

またサポートエリア内でも、入口から一番奥にスタッフを配置したり、パーテーションを低く設置するなど、お互いの顔が見える環境により、サポートスタッフ間、リーダー、スーパーバイザーとのコミュニケーションを円滑化はもちろん、細かい神経を使うサポート業務に対応するスタッフの状態の把握にも役立っている。

■サポートエリア

サポートエリア サポートエリア

入り口付近がスーパーバイザー席。見通しを考慮し一段高くなっている(写真左)。スーパーバイザー席の奥がコミュニケーターのスペースとなっており、手前にリーダーが、その先に各コミュニケーターが配置されている(写真右)。

これからも常に最先端のテクノロジーを活用し、最高のサービスを提供したい

技術的にも、ICタグを利用してPCなど備品の管理を行なうなど、積極的にいろいろな試みを行っていきたいという。「サポートエリアには、歴代のPCが検証用として置かれています。この管理にこういった新しい技術を利用していきたいですね」(秋山氏)

さらに、今回構築したインフラを、販売店などに積極的に開示することで、自社のサポートのよさをもっとアピールをしていきたいと秋山氏は次のように語る。「当センターをデモセンターとして位置づけ、販売店の方々にご覧いただくことによって、店舗で富士通のPCをサポートの面からもアピールしていただきたいと考えています。やはり実際に目でご覧いただくと、接客の暖かさや質問回答DBのすごさに皆さんが感心され、効果を実感しています」

最後にサポートセンターの今後について秋山氏は、「これで完成型とは決して思っていません。テクノロジーの進化に応じて、このサポートセンターもどんどん進化していきたい。常に最先端のテクノロジーを利用して、最高のサービスを提供していきたいですね」と力強く語った。

User's Profile 富士通コミュニケーションサービス株式会社 北九州サポートセンター

富士通コミュニケーションサービス株式会社 北九州サポートセンター

富士通コミュニケーションサービスは、富士通グループでコンタクトセンターサービスを中核とするアウトソーシングビジネスを展開している。富士通の個人向けPC製品のサポートをはじめとする情報技術領域に強みを持つが、非技術系の業務プロセスサポートも提供。その高いサービス品質は400社以上から高い評価を得ている。

同社は、災害や障害など万一に備えて、北九州、川崎、新潟にサポートセンターを持つ。なかでも北九州サポートセンターは最大の規模で、2006年10月に新築・移転したばかり。北九州サポートセンターの対応席数は700席まで設置可能。

ホームページ http://jp.fujitsu.com/group/csl/

製品紹介 バイオ認証装置(FMSE-C301)

Secure Login Box(セキュアログインボックス)

使いやすさと高セキュリティを同時に実現したPC周辺機器。指紋での代行認証時に必要な、ユーザーのID/パスワードおよび指紋データを暗号化して一元管理できる。2台セットによる正副運用に加え、データ二重化機能に対応し、データの冗長性を高めているのも特長だ。ネットワークに接続するだけで、既存システムとのスムーズな連携が可能であり、低コストかつ迅速に高度なセキュリティシステムを実現する。

また、指紋データの他に富士通独自の「手のひら静脈」データにも対応している。

※バイオ認証装置にて手のひら静脈を使用する場合、オプションソフト「静脈認証オプション」が必要(FMSE-C301より)。

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