5 MNPコマンド

MNPモードの通信では、エラーは自動再転送され、エラーフリーの通信ができます。またパソコン本体側と回線側の通信速度が違っていても、モデム内のバッファによって、データ抜けなしに送受信をすることができます。これによって、相手モデムの通信速度に合わせて、回線上の通信速度を自動的に決めることができます。MNPコマンドでは\記号を使います。

□ AT\An

MNP通信の最大ブロックサイズを選択します。
対向モデム間でサイズが異なる場合には、両モデムの設定値の小さい方のサイズで通信が行われます。

〔パラメーター説明〕

\A0
64バイト
\A1
128バイト
\A2
192バイト
\A3
256バイト

〔出荷時の値〕

\A3

□ AT\Bn

コマンド状態で、相手のモデムにブレーク信号を送信します。

〔パラメーター説明〕

n
1〜9の整数でブレーク信号の長さを指定します(単位:100ミリ秒)。

〔出荷時の値〕

\B3

□ AT\Nn

相手のモデムとの間の通信モードを選択します。

POINT
  • 通信中は、AT\Nコマンドを入力してはいけません。

〔パラメーター説明〕

\N0
ノーマルモード。このモードではエラーの自動修正は行われません。
\N1
ノーマルモード。\N0と同様です。
\N2
MNPモード。モデムはエラーを検出すると、自動的に再転送してエラーを修正します。エラーを修正するときには、データの流れを一時止める必要があるため、データのフロー制御(&K)を行うように設定しておきます。
このモードは相手のモデムも同じMNPモードに設定されている場合にのみ接続できます。相手のモードが異なる場合は回線が切断されます。
\N3
自動リライアブルモード。相手モデムがLAPMで通信するモードであれば、LAPMで接続されます。相手モデムがLAPMをサポートしていなければ、MNPモードで接続されます。MNPモードもサポートしていなければ、ノーマルモードで接続します。
\N4
LAPMモード。相手モデムがLAPMで通信するモードであれば、LAPMで接続されます。相手モデムがLAPMをサポートしていなければ、回線を切断します。
\N5
自動リライアブルモード。\N3と同様です。

〔出荷時の値〕

\N3

□ AT\V

MNP/LAPMモードを示すメッセージ(応答コード)を使用するか否かを選択します。

〔パラメーター説明〕

\V0
MNP/LAPMモードで接続されても、通常の応答コードを返送します。
\V2
MNP/LAPMモード時に詳細な結果コードを返送します。

\V2コマンド設定時〕

応答コードについては「応答コード一覧」をご覧ください。

〔出荷時の値〕

\V2

□ AT%Cn

MNP/LAPMモードで通信しているときに、データを圧縮するか否かを選択します。

POINT
  • データを圧縮する場合は、両モデムが同じ設定であることが必要です。

〔パラメーター説明〕

%C0
データ圧縮を行いません。
%C3
MNP/V.42bis/V.44のどれかのデータ圧縮を行います。

〔出荷時の値〕

%C3

□ AT%En

自動リトレーニングシーケンスを禁止するか否か、または自動フォールバック・フォールフォワードを選択します。
%E1を選択すると、4800bps以上でつながったとき、および回線の質が悪化したときに、リトレーニングシーケンスを実行して、同期の取り直しを試みます。

〔パラメーター説明〕

%E0
自動リトレーニングシーケンスを禁止します。
%E1
自動リトレーニングシーケンスを可能にします。
%E2
自動フォールバック・フォールフォワードを可能にします。

〔出荷時の値〕

%E2