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「新たな考え」生むツールに

新指導要領「主体的・対話的で深い学び」へ一役

富士通のタブレットPC 川崎市立川崎小学校

 話し合いを重視した「主体的・対話的で深い学び」を目指す川崎市立川崎小学校(吉新一之校長、児童673人)。「つなげる」をキーワードに、同校では子どもたちが自ら新しい考えを生み出していくような授業づくりに取り組んでいる。その一役を担っているのは、富士通(株)のタブレットPC「FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q506 ME」など。さまざまな情報をタブレットPCに蓄積し、その中から必要なものを選び、関係付けながら自分の考えを導くための根拠にする。そんな子どもたちの論理的思考力も高まっているという。

タブレットPCの有用性について語る 吉新 校長

タブレットPCの有用性について語る
吉新校長

蓄積した画像などクラスで共有 必要な情報選び、話し合い

 「はい! はい!」―。教師の問い掛けに対し、クラス全員の子どもたちが手を挙げる。その姿は圧巻だが、同校ではどのクラスでも見られる普通の光景だ。

 全てのクラスで共通しているのは、授業で間違えても受け入れてもらえる雰囲気があること。それは一朝一夕で培えるものではない。学級経営の基礎・基本に力を入れてきたのは、どんな考え方でも受け入れられる学習集団になっていなければ学力保障につながらないためだ。

 吉新校長が特に重視しているのは「授業で誰一人見捨てない」ということ。また、学校の実態として若手教師が増え、ベテランの指導技術を伝える必要性もあったことから、吉新校長が自身の教諭時代の経験を踏まえて「教師の秘伝」を作成した。

 「教師の秘伝」には、「全員が挙手して主体的に授業に参加できる集団づくり」や「『全員挙手』のための具体的な手だて」「話し合い、学び深めていく集団づくりの考え方」などが収録されている。

写真1 子どもたち全員が挙手する姿がどのクラスでも見られる

写真1 子どもたち全員が挙手する姿がどのクラスでも見られる

 その内容をベースに、学びに向かうための基礎・基本となる学習規律や話し合いの方法などを学校全体で統一した。「教師の秘伝」を活用して5年目。全教員が同じ方向に向かって取り組んできたことで、チーム学校としての教師一人一人の力量も高まっているという。本年度は「教師の秘伝」を扱う専用ホームページ(http://www17.plala.or.jp/kyoushinohiden/)を開設。興味・関心があれば誰でも無料でダウンロードすることができる。

子どもの発言を教師がつなげる

 学習規律などの基盤がどのクラスにも整った後、同校が次に着目したのは、多種多様な問題に向き合えるような汎用(はんよう)的な思考力の育成だ。知識基盤社会と呼ばれる今、子どもたちには身の回りの問題に対して自分なりの考えを持ち、課題解決を図ろうとする姿勢が求められる。そのためには、必要な情報を自ら取捨選択し、人と関わりながら新たな考えを生み出す、イノベーションにつながる力が必要になってくる。

 次期学習指導要領でキーワードの一つになっているのが「主体的・対話的で深い学び」〔アクティブ・ラーニング(AL)〕。同校では社会的背景も踏まえ、ALをベースに置きながら話し合いでの相互作用に着目している。同校が考える「深い学び」とは、教材の情報や友達の発言を比較して意味付けを行い、自らの知識や経験などを踏まえて新たな考えを創り出すこと。

写真2 イノベーションの形成

写真2 イノベーションの形成

 そのために、授業の流れは、教師が「つなげる発言」を意識して子どもと一緒に共通性やまとまりをつくり、振り返りの場面で子どもたち一人一人が自分の考えをまとめていくことになっている。新しい考えを生み出すきっかけになるのが「話し合い」。その活性化を図るために、一つのツールとして日常的に活用してきたのが、富士通(株)のタブレットPCだ。

 同社が手掛けた21世紀にふさわしい学びや学校の実現を支援する事業「明日の学びプロジェクト」(平成26年9月~28年3月)に選ばれた同校。初年度は、タブレットPC(子ども用50台、教師用30台)の支援などを受けていた。新しい考えを生み出すために、タブレットPCに備え付けられたアプリケーションも活用。例えば、本時のねらいなどに合わせ、富士通(株)が開発した協働学習支援アプリ「マーナビケーション」や、教材や情報をすぐに全体で共有できるアプリ「知恵たま」などを効果的に使用するように心掛けている。

 当初、ICT支援員が毎日派遣されていた。それが学校全体でICT機器の活用を広げていく上でも大きな役割を果たしていた。

論理的思考力高める

 「なぜ箱根町にはこんなに多くの観光客が集まるのだろう」―。そんな疑問から始まった社会科の4年単元「わたしたちの県の町づくり」。この学習でも、子どもたちの新しい考えを生み出す上でタブレットPCが活躍している。

 人を集めるための町づくりの工夫や観光スポット、お土産に着目した子どもたち。200年ほどの歴史を持つ箱根の伝統工芸品「寄木(よせぎ)細工」が、地元のお土産として人気があることを知った。その大きな特徴は、さまざまな種類の木材を組み合わせ、それぞれの色合いの違いを利用して模様を描いているところ。

 タブレットPCには、多くの写真や動画などの情報の中から自分の考えを支えることができる根拠になるものを選び、それをすぐに提示できる強みがある。この授業で使用したのは「知恵たま」というアプリケーション。教師が事前に登録しておいた写真画像などの資料を、クラス全体で簡単に共有できるのが特徴だ。

写真3 タブレットPCの情報から、新しい考えを生み出そうとしている子どもたち

写真3 タブレットPCの情報から、新しい考えを生み出そうとしている子どもたち

 4年担任の有川亮介教諭(研究主任)は、事前にこのアプリ内に寄木細工の作品写真や職人へのインタビューメモなどの情報を収録。教科書には多くの情報があるため、有川教諭は「選び取るだけで、子どもたちは精いっぱいになってしまう」と指摘する。また、「ある程度、教師側で分かりやすい情報を提示することで、それをうまく『つなげる力』の育成にもなれば」と期待を寄せていた。

 タブレットPCの活用は、ALを活性化させ、子どもたちが自らの考えを深めていくところにねらいがある。この授業でも、グループでタブレットPCを見ながら、話し合いを通して考えを出し合っている子どもたちの姿が多く見られた。

 特に重要だと考えているのは、情報と情報を関係付け、論理的に思考できるような力の育成。最終的に「必要な資料やグラフなどを選び、自分の考えにつなげるための順番付けを行い、何が分かったかを原稿なしでプレゼンできる」ような子どもの姿を目指し、同校では実践を積み重ねている。

 この他、タブレットPCを活用することのメリットとして、カラーで見やすく子どもたち一人一人が手に取り、詳しく見ることができることなどを挙げている。資料を黒板に提示しても、白黒で見づらく分かりにくいときは適切に随時活用しているという。

育成すべき資質・能力 ICTの活用も

 日常的な活用となると、前提としてICT機器を活用できる環境づくりが必要になる。同校では、ICT支援員や教科の枠を超えた研修体制に加え、全教育活動で育成すべき21の資質・能力を設定した。これらをALの授業の中で育成すべき資質・能力と考え、それらを大きく三つに分類している。

 このうち、(2)の中にICTに関わる資質・能力として「ICT(情報通信技術)の有効性と特徴を知り、課題追究の学習において、積極的に活用して、自分の考えを深めていく力」を設けている。付けたい力を明確にし、それをベースに評価規準も作成。学校全体で共通理解を図り、PDCAサイクルで指導改善につなげている。

 今後に向け、必要な課題もある。それは「単元の配列と各教科などの指導計画、それをベースに評価の在り方を検討していくこと」と指導する吉新校長。これまで単元配列は内容のつながりを重視していた面があったが、次期学習指導要領では資質・能力の育成の視点から考えていく必要がある。

 また、「教科特有の見方・考え方を見据えることも欠かせない」と言う吉新校長。こうした点を踏まえ、「指導計画を立て(Plan)、それを実践し(Do)、評価してから(Check)、次の実践へとつなげていく(Action)」。新しいPDCAサイクルを構築し、今後は単元の配列と各教科などの指導計画の中にICT機器の活用の視点も盛り込んでいく方針。
 川崎小=Tel044・233・2812

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