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FMWORLD[法人]

デバイス&ソリューション導入事例

島根県

住民の生活を支える道路の維持補修、管理に Windows 8 搭載タブレットを活用。パトロール現場の写真をその場で加工、整理して日々の業務を大幅に効率化

島根県

日本海と中国山地に挟まれた細長い地形に、国道、県道が張り巡らされた島根県では、道路維持管理業務を効率化するために、点検現場での記録作業を支援するツールとして Window 8 搭載タブレットを採用。パトロール先で撮影した写真にその場で情報を書き込み、フォルダーごとに整理できるアプリを搭載し、報告調書の作成からメール送信までを可能にすることで、日常のパトロールから災害時の緊急対応まで、効率的に業務を行える体制を整えています。

導入メリット

  • タブレット内蔵カメラで撮影した画像に、その場で情報を追記し、フォルダーごとに分かりやすく整理
  • タッチ操作で写真帳を作成。外出先からメールで送信することも可能
  • GPS 機能を使って、
    災害位置の詳細な把握が可能
  • Excel などの使い慣れた機能をパトロール先で活用し、日常業務の効率化に貢献

導入の背景とねらい

手軽に携帯できるタブレット端末の利点を活かし、報告書作成時間を短縮

  • 島根県土木部
    浜田県土整備事務所
    土木工務部
    土木工務第三課 主任
    石倉 英明 氏

  • 島根県土木部
    松江県土整備事務所
    維持管理部
    維持第二課 主任
    森田 淳 氏

県内に出雲大社があり、神話の舞台としても知られる島根県は、東西に約 230 km と細長い県土に、国道 9 号を幹線道路として、計 13 の国道、そして 264 の県道が巡っています。県内の幹線道路の維持補修と、点検、管理を担当している島根県土木部松江県土整備事務所 維持管理部 維持第二課 主任 森田 淳 氏は、その業務について次のように説明します。

「島根県民の多くは自動車を主な移動手段としており、幹線道路の維持管理がとても重要な業務となっています。しかし海と山に挟まれて細長く延びた地形にたくさんの道路が巡っていますので、相応の苦労もあります。たとえば雪深い奥出雲の道路は、冬場は積雪・凍結のため、メンテナンスも大変です。」

県内各地に置かれた県土整備事務所に所属し、毎日、朝から夕方 4 時頃まで道路をパトロールする職員たちは、落石やひび割れなどの異常を発見すると、デジタル カメラで現場の写真を撮影。帰庁後、1 時間ほどで報告書にまとめ、維持補修担当へと提出します。

しかし、この報告書作成を短時間で行うことには、苦労もあると森田 氏は続けます。
「パトロールを行う職員は、複数の現場を回って大量の写真を撮影して帰庁します。報告書にまとめる際には、撮影した順番と、自分の記憶を頼りに写真を整理して、Excel で作成したフォーマットにまとめます。それだけ手間のかかる作業を短時間で完了させるのは、簡単ではありません。」

こうした業務の効率化を図るために島根県土木部では、全国で初めてとなる先進的な情報端末活用を進めています。それが、Windows 8 搭載タブレットの活用です。

タブレット端末に内蔵されたカメラと道路点検用のアプリを活用し、パトロール先で現場写真を撮影。その場で報告時に必要なコメントなどを写真上に記入して、点検場所ごとのフォルダーに整理することができます。また、Excel が利用できる点を生かし、点検調書を現場で作成し、Outlook を使って各県土整備事務所に送信することまで可能になっています。

システム概要と導入の経緯

災害時対応を主眼とした研究に
日常業務に活用できる写真帳作成機能を追加

株式会社ソーシャル
・キャピタル・デザイン
技術営業部長
今道 周雄 氏

島根県土木部がタブレットを採用するきっかけとなったのは、浜田県土整備事務所 土木工務部 土木工務第三課 主任 石倉 英明 氏が、2013 年の 5 月に参加したイベントだと言います。

「マイクロソフトが開催したパブリックセクター ソリューション フォーラムというイベントで聴講した講演がヒントになっています。私たちの業務に活用できる可能性を感じましたので、講演で紹介されたアプリケーションを開発した株式会社 ソーシャル・キャピタル・デザイン (以下、ソーシャル・キャピタル・デザイン) に頼んで、7 月に試作機を 2 台借りたところから、本格的な検討が始まりました。」(石倉 氏)

ソーシャル・キャピタル・デザイン他 2 社が開発したアプリケーションは、「防災安全点検」という名称で、被災時のインフラ復旧を主なテーマとしており、道路防災、道路ストック総点検、および被害宅地危険度判定という 3 種の定型帳票を組み込んでいました。

そこへ石倉 氏が、Excel を使ったカスタマイズ可能な「パトロール写真帳」作成機能の追加を要望したと言います。
「災害時に、落石や倒木、積雪などで分断された道路の復旧は、急を要します。その点、タブレットの活用は有効な手段となるでしょう。しかし、山間部を通る道路などで、どこに行けば通信に必要な電波をキャッチできるかといったことは、普段から使っていなければわかりません。また、大きな自然災害が発生するのは、せいぜい数年に 1 度です。そんな少ない頻度でしか利用しないのでは、操作方法も忘れてしまいます。大切なのは、普段からタブレットに慣れておくことです。」(石倉 氏)

ソーシャル・キャピタル・デザインは、石倉 氏の要望を速やかに反映。日常のパトロール報告に活用できるアプリケーションとしての機能が搭載されると、2014 年度から島根県の各県土整備事務所への導入が開始されました。

導入効果

Excel の便利さとタブレットの携帯性に職員も好意的な反応


2013年7月 島根・山口豪雨 被災写真

Windows 8 搭載タブレットの導入は、職員にも好意的に受け入れられたと、森田 氏は言います。
「各県土整備事務所の職員を対象として、タブレットの操作研修を浜田と松江の 2 か所で行いました。参加職員の平均年齢が 50 歳を超えていましたので、スムーズに受け入れられるかどうか、研修前には不安もありました。しかし、タブレットを実際に操作しながら機能を説明すると、『これはいいね』というコメントを数多く聞くことができました。」

石倉 氏は、タブレット導入の効果として、「使いやすさ」と「費用対効果の高さ」の 2 点を特に評価していると話します。
「まず、第一に使い慣れた Excel が、そのまま利用できることが挙げられるでしょう。タブレットとしては、iPad や Android 端末も候補になりますが、Excel が利用できなければ意味がありません。現場で撮影した写真に、テキストで情報を記入するのも、使い慣れている Windows のペイント機能で行います。操作も簡単で、フォルダー内に整理した写真を任意に選択し、写真帳作成ボタンをタッチすれば、Excel のテンプレート上に写真がきれいにレイアウトされます。そこまで作業して保存しておくことで、帰庁後の作業が大幅に効率化できます。」

Windows 8 搭載タブレットであることは、もう 1 つのメリットである「費用対効果の高さ」にも直結していると、ソーシャル・キャピタル・デザイン 技術営業部長 今道 周雄 氏は説明します。
「『防災安全点検』は、決して高価なアプリケーションではありません。Excel のほか、ペイント機能や地図アプリケーションなど、Windows 8 の標準機能を最大限に活用することで、開発の工数を削減し、コストダウンしたのです。今回追加開発したパトロール写真帳アプリは、職員の方々が自由にアレンジできるように、ほぼ Excel の通常機能のみを利用しています。」

森田 氏も、Windows 8 の標準機能を活かした開発について、高く評価しています。
「やはり、汎用性を保つことが重要だと思います。IT ベンダーの方に、自治体業務をすべて理解していただくのは難しいでしょう。その点、細かいところまでガチガチに固めたアプリケーションにされてしまうと、業務に即した修正を行うにも、工数と費用がかさんでしまいます。この『防災安全点検』のようなアプリであれば、そうした心配も少なくて済みます。」

石倉 氏は、価格の優位性が活用の幅を広げる要因になったと話します。
「導入コストを抑えることは重要な課題です。しかしそれは、『安ければいい』という意味ではありません。この点検アプリについては、ほかのソリューションに比べて圧倒的に安価である上に、機能が充実しているという点が素晴らしいと思います。そもそも、タブレットですべての業務を完結させる必要はありません。日常の報告書は、帰庁後にデスクの PC で落ち着いて完成させればいいのです。適材適所でツールを使い分けて、業務を効率化すべきだと思います。」

導入効果と今後の展望

タブレット端末による情報共有を活かし
災害救助の明暗を分ける道路情報を迅速に提供

今後、タブレットの活用は、大きな災害の発生時にも効果を発揮するであろうと、森田 氏と石倉 氏は声を揃えます。

「現場をパトロールする職員は、複数の現場を回り、詳細に状況を把握しています。一方、事務所の職員がリアルタイムで得られる情報は、従来ですと携帯電話から送られてくる写真と、通話による説明に限られていました。そのため、現場の状況が正確に伝わりにくいもどかしさもありました。しかし、今後は詳細な情報が記載された写真を共有しながら、さらにきめ細かい報告を受けることができます。緊急時の対応も、大幅に効率化できるでしょう。」(森田 氏)

「災害によって各所の道路が分断された場合など、負傷者や病人を救急車で搬送する際に、道路を右に曲がるのか、左に曲がるのか、その判断が生死を分けることもあるでしょう。私たちが部署間の連携と情報共有を効率化し、道路情報を速やかに発信することで、安全な避難を助けることができます。Windows 8 タブレットが、そうした情報連携を支えるツールとして機能することを、期待しています。」(石倉 氏)

パトロール員がよく利用する、
タブレットの機能

  • 撮影した写真は、任意に作成したフォルダーに整理して保存。

  • 写真を撮影したその場で、複数の写真をつなぎ合わせて加工。
    (従前は、帰庁後に PC で加工していた。)

  • 撮影した写真に、位置情報や寸法を加えた詳細な報告を、現地からメールで送信。 遠く離れた県庁 (災害対策本部) でも早期に情報収集が可能。

    画面上のサムネイルにタッチすることで 写真を掲載する順番を決定

  • ワンタッチ操作で、Excel 上にリサイズ して表示。(標準テンプレートは、A4 横 写真4枚 / A4 縦 写真3枚の2種。)

島根県様 概要

ユーザープロフィール 島根県は、日本海と中国山脈に挟まれた東西約 230 kmの細長い地形を特徴とし、鉄鋼、電機などの製造業、漁業などが盛んです。また「神々のふるさと」として知られ、2013 年 5 月には 60 年に 1 度の出雲大社「大遷宮」が行われるなど、縁結びやパワースポットなどを魅力として数多くの観光客が訪れます。
ホームページ 島根県様 ホームページ

ユーザーコメント

「災害によって各所の道路が分断された場合など、負傷者や病人を救急車で搬送する際に、道路を右に曲がるのか、左に曲がるのか、その判断が生死を分けることもあるでしょう。私たちが部署間の連携と情報共有を効率化し、道路情報を速やかに発信することで、安全な避難を助けることができます。Windows 8 タブレットと防災安全点検が、そうした情報連携を支えるツールとして機能することを、期待しています。」

島根県土木部浜田県土整備事務所
土木工務部 土木工務三課 主任
石倉 英明 氏

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