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デバイス&ソリューション導入事例

スレートPC導入事例 - 名古屋鉄道株式会社様

ハイキングの参加者にポイントを付与する端末として、バッテリー駆動時間が長く信頼性の高い、 Windows® 7搭載のスレートPCを選択。

名古屋鉄道株式会社様が開発した
ポイント端末機

 中部地方最大の私鉄である名古屋鉄道は、「電車沿線ハイキング」の参加者の実態を把握するため、会員制のポイントサービス「µstarポイント」の活用を検討。電車で現地へ来た参加者のICカード「manaca」にポイントを付与することで、電車を利用したハイキングの参加を促すことを目指した。イベント当日に現地で参加者のICカード情報を読み取り、サーバと通信をして照合結果を顧客に見せる端末として、持ち運びと設置が容易なスレート型で、バッテリーの駆動時間が長く、Windows® 7を搭載した「STYLISTIC Q550/C」を採用。極めて短期間での開発を実現した。

導入事例概要

業種 交通
ハードウェア 法人向けスレートPC STYLISTIC Q550/C
ソフトウェア Windows® 7 Professional
CPU インテル® Atom™ プロセッサー Z670(1.5GHz)

課題と効果

  • 1ハイキングはいろいろな場所で頻繁に行うため、持ち運びが楽で、設置が簡単な必要がある
    約730gの軽量ボディのスレートPCなので、持ち運びしやすく、設置も容易
  • 2設置場所が屋外のことも多く、電源がとれない場合が多いため長時間もつバッテリーが必要
    大容量バッテリーなら約10時間の連続使用が可能
  • 3接続するICカードリーダーがWindowsのみ対応であり、開発期間が極めて短期だった
    Windows® 7搭載で使い慣れた、Visual Basicが利用可能

導入の背景

把握が難しいハイキング参加者の実態を、会員制ポイントサービスを活用して取得

  • 名古屋鉄道株式会社
    事業推進部
    販売促進担当
    森下 喬氏

  • 株式会社メイテツコム
    事業統括本部
    社会情報ソリューション部
    第4担当リーダー
    森田 智康氏

 manaca(マナカ)」は、名古屋鉄道(以下、名鉄)を含む6つの公共交通機関で乗車券として利用できるICカードである。現在約400万枚の発行枚数を誇り、日本で4番目に発行枚数の多い鉄道会社系ICカードだ。同社は、この「manaca」を活用し、会員制のポイントサービス「µstarポイント(注)」を展開している。

 一方で、楽しみながら鉄道利用を促すイベントとして、参加費も予約も不要の「電車沿線ハイキング」をほぼ毎週末に実施しており、参加者にはシール式の「完歩券」を発行。集めた完歩券の枚数に応じてプレゼントを進呈するというサービスを行っている。このハイキングには毎回2000~3000人程度が参加するが、自由参加なので、どういう人がどの程度参加したかを把握しにくい。よりハイキングの参加を促すため、ハイキング向けの会員組織を立ち上げ、独自のポイントを付与して実態を把握していきたいというニーズがあった。

 そこで名鉄では、ハイキング参加者が、コース内に設置された読み取り端末に、条件に適合するICカードをタッチすると既存の会員組織である「µstarポイント」を付与するサービスを考えた。

 名古屋鉄道株式会社 事業推進部 販売促進担当 森下喬氏は、「『µstarポイント』は電子マネーで買い物をした時にたまるポイントもあるので、ハイキング参加者にポイントを付与することにより、普段から『µstarポイント』をためている人にハイキングに興味を持ってもらえることと、ハイキング参加者に『µstarポイント』のサービスを知ってもらうきっかけになってもらえればと考えました」と語っている。
注:名古屋鉄道、名鉄バス、豊橋鉄道で発売する(株)エムアイシー発行の記名式「manaca」に付加できるポイントサービス。「µstar manaca」加盟店での電子マネー利用のたびに「µstarポイント」がたまる。そのポイントを「µstarポイント」チャージ券に交換後「manaca」にチャージすることで、カードの残額として利用できる。

図 1:「manaca」を利用した新サービスの仕組み。「名鉄のハイキング」は年間50コース以上が用意されている。

導入のポイント

軽量なスレート型でバッテリー駆動時間が長く、Windows® 7搭載の「STYLISTIC Q550/C」を選定

 名鉄は、グループ内の情報システム会社であるメイテツコムと共に、2011年夏前ごろから検討を開始。当初、現地ではオフラインでデータを取得しておき、会社に戻ってから一括でデータをサーバに渡す方式を考えていた。しかし、同じ「manaca」でも名鉄発行の「manaca」だけが本サービスの対象であったり、電車での来場がポイント付与の条件となるため、その場で条件に適合するかどうかの判定が必要となった。そうなると、ユーザーに条件に合わないことや対象の「manaca」であることをきちんと認識してもらう必要がある。そのため、画面で利用可否や加算ポイントなど結果を見せなければならないと考えた。

 また、屋外のイベントでの使用となるので、持ち運びしやすく、設置が簡単であることが望ましく、当初からスレート型のPCが有望な候補となった。さらに、「manaca」を読み出すためのICカードリーダーがWindows対応だったため、OSがWindowsであることも必須条件だった。

 そこで、さまざまなベンダーの7、8機種のスレート型Windows PCを比較検討し、最終的に富士通のスレートPC「STYLISTIC Q550/C」に決定した。その理由を森下氏は、「ハイキングは、朝8時半からスタート受付けを開始し、15時までゴール受付けをします。その間ずっと作動しておく必要がありますが、屋外が多いので電源がとれないことも珍しくなく、最低7時間はバッテリーがもつ必要がありました。その点、STYLISTIC Q550/Cは、大容量バッテリーなら約10時間もち、調べた中では最長でした。富士通のPCは社内でも使っており、信頼性に評価があったことも大きいですね」と語っている。

  • 写真 1:ポイント端末機のカバーを開けた様子。アクリルの台座にスレートPC「STYLISTIC Q550/C」と、カードリーダーが配置されている。熱対策の為、台座の左右には通気口があけられている。

  • 写真 2:利用者が「manaca」をタッチすると、乗車情報が即座に確認され、「電車に乗ってきたかどうか」など条件に適合する場合のみポイントが加算される。

導入効果

Windowsだからこそ、超短期開発が実現。端末も安定し、故障もトラブルも皆無

 仕様が固まって開発が始まったのが2011年10月で、約1ヶ月後には本稼働という急ピッチなスケジュールで開発は行われた。株式会社メイテツコム 事業統括本部 社会情報ソリューション部 第4担当 リーダー 森田智康氏は、「幸い端末のOSがWindows® 7だったので、アプリケーションの開発をVisual Basicで行うことができました。他のOSだったら、このスケジュールは無理でしたね」と語る。

 現在STYLISTIC Q550/Cは、10台用意し、3拠点に配分、それぞれの周辺地域でのイベントに利用している。基本は1イベントで2台だが、特に多くの参加者が見込まれる場合は、台数を追加している。

 イベント当日は、STYLISTIC Q550/CにICカードリーダーとモバイルルータを接続し、特製の専用ケースに収める。ハイキング開始時に、担当者はSTYLISTIC Q550/Cのタッチパネルを使って、事前にサーバに登録されたハイキングコース一覧の中から、該当するコースを選択し設定。ハイキング開始後、利用者がケースに収められたICカードリーダーにICカードをかざすと、サーバと通信して判定を行い結果(ポイント付与)が液晶画面に表示される。

 約2ヵ月利用した2012年1月末時点で、「普通のPCと同じなので、特別なサポートは必要ないし、今のところ故障も、トラブルもありません。冬場の外気温の非常に低い中でも問題なく稼働しています」と森田氏は評価している。サービスはまだ始まったばかりで、導入効果の把握はこれからという状況だ。森下氏は、「ようやく少しずつ認知され始めたところで、タッチする楽しみを感じてもらっているという段階です。しかし従来の磁気カードユーザーがまだまだ残っていることなど、徐々に利用実態はつかめてきました」と語っている。

写真 3:スレートPCを内蔵したポイント端末機は主に屋外に設置され利用されている。
ポイント情報の通信はFOMAルータを介して行うため、完全にケーブルレスで運用できる。

今後の展望

イベント集客やロイヤリティ向上のツールとして多彩なサービスを展開予定

 名鉄が今回実施したハイキング参加者へのポイント付与サービスは、買い物などの支払いに連動するような一般的なものではない。ICカードのポイント付与サービスとしてはかなり独創的なものといえ、新しい活用方法を切り拓くサービスとして期待が高まる。

 さらに同社では、今回導入した仕組みを活用し、イベントへの集客を高めたり、顧客の同社へのロイヤリティをより一層高めるためのツールとして活用していきたいと考えている。森下氏は、「たとえばよりゲーム性を持たせて、ICカードをかざすとルーレットが回って、抽選でプレゼントが当たるサービスなども、やろうと思えばできます。また、今後はハイキング以外の地域連携キャンペーンや鉄道イベントなどへの展開も検討しています」と構想を語る。

 ICカードのポイントサービスを活用することで、イベントの参加状況を把握し、サービスの改善につなげる活動は緒についたばかりだ。今後さまざまな活動により相乗効果を生み、さらなる利用者拡大とサービスの充実につながることは間違いないだろう。

名古屋鉄道株式会社様 概要

ユーザープロフィール 1894年に設立された愛知馬車鉄道に端を発し、110余年にわたって、名古屋市を中心として鉄道事業を営んできた。現在では、愛知、岐阜両県下にまたがる444.2キロの鉄軌道路線を有する、中部地方を代表する私鉄である。「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」を使命と定め、グループ一体となって、地域社会に資する多彩なサービスを提供している。
所在地 名古屋市中村区名駅一丁目2番4号
設 立 大正10年6月13日(創業 明治27年6月25日)
ホームページ 名古屋鉄道株式会社様ホームページ

株式会社メイテツコム様 概要

ユーザープロフィール 名古屋鉄道グループの情報システム会社。「SCOPE INNOVATION(視界革新)」というブランディングステートメント(お客様へのお約束)を設定し、顧客のIT戦略を俯瞰的視野でとらえ、顧客と共に革新(INNOVATION)を継続していく企業を目指す。運輸関連システムのみならず、物流、流通、文教、ECなどさまざまな分野でのシステム開発に経験とノウハウを持ち、幅広い顧客に対してソリューションを提供している。
所在地 名古屋市中村区名駅南一丁目21番12号
設 立 昭和51年9月27日
ホームページ 株式会社メイテツコム様ホームページ

ご紹介した製品

法人向けスレートPC「STYLISTIC Q550/C」

厚さ16.2mm・重さ約730g(注)の軽量ボディにより、手軽に持ち運びができるスレート型PC。ペンでの入力に加えて、画面タッチに対応した専用アプリケーションによって快適な直感操作を実現する。また、低消費電力設計のインテル®Atom™プロセッサーを搭載することで、バッテリーの長時間駆動を実現。広視野角対応により、見る位置や角度によって色合いやコントラストが変わることなく、隅々まで鮮明な画像を表示。ビジネスユースで求められる最新のWindows OSを採用しているので、既存の情報資産をそのまま活用することも可能だ。もちろんモバイル端末として十分なセキュリティを装備。安全に社外に持ち出して活用できる。
注:指入力対応モデルの場合


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