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開発者ストーリー
新しいLOOX T シリーズはこうして生まれた!
新しいLOOX T シリーズはこうして生まれた!
新しいLOOX Tはコンパクトでスタイリッシュ。今回のモデルではモビリティの向上をテーマに開発が進められたという。それぞれの開発にまつわるエピソードを担当者に聞いた。
vol.1 もっと薄く軽く、長時間使えるLOOX Tをつくりたい! vol.2 世界最先端技術、LEDバックライトを制す vol.3 コンパクト、ファンレスに挑む vol.4 見ても触れても、違うデザイン
牧野 寛の写真 小林 園昌の写真
vol.3 コンパクト、ファンレスに挑む
モバイルPC事業部 第二技術部 牧野 寛(左) 第三技術部 小林 園昌(右)
Q.1 新LOOX Tの構造を担当されたということですが、筐体を設計するうえで、どんなところに一番のポイントをおいたのでしょうか?

小林:

開発段階でのプライオリティとしては、モビリティの観点から、まず薄くということですね。

牧野:

とにかく薄くすることが求められましたよね(笑)。

LOOX Tの写真
Q.2 確かに薄い方がカバンに入れやすいし、持ち運びやすい。でもそれぞれのパーツを薄くするといっても限界があると思いますが。

小林:

そこがまさに我々の仕事で、バッテリーの位置や液晶パネルの位置を工夫して薄くなるように設計するわけです。また薄くなっても剛性を落とさないよう、ボディにマグネシウム合金を使うということも考えました。

牧野:

もうパズルですね。あっちのものをこっちに持ってきたり、ちょっとした隙間に入れ込んだり。どうやって組んだらいいのかいつも悩みます。結局、使い勝手を考えながら、さまざまな部品を動かしながら考えていくしかありません。外部モニタ端子など、大きいけれど絶対に外せないものもありますから、ほんのちょっとのスペースを見つけてポートを取りつけます。たとえばPCカードスロットのイジェクトボタンなどは、もうここしかないという位置になっていますね。

軽快に持ち歩ける薄さのイメージ写真
Q.3 薄くの次にプライオリティが高いのは何でしたか?

小林:

プライオリティとしては薄くの次は小さくでした。特にノートPCを開いた状態、つまり使っているときに本体サイズが小さくなるよう心がけました。具体的にはヒンジ位置の変更ですね。従来のモデルと比較すると分かりますが、液晶を開いた状態では新LOOX Tの方がずっと小さく見えます。

新LOOX Tのイメージ写真
Q.4 ホントですね。液晶のサイズもキーピッチも同じなのに、ひとまわりは小さく見えます。

小林:

無駄に大きいのって、なんだか嫌じゃないですか。打ち合わせとかで、使っていて格好悪い。だから、同じ大きさでも小さく見せたいと思っていました。それと、使用音にもこだわりました。ある会議で、皆でノートPCを使ってたんですが、たまたま自分のLOOXが一番最初にファンが回り始めたんです。これが悔しくて、悔しくて(笑)。だから、新LOOX Tはぜひファンレスにしたかった。

キーピッチは約18mm
Q.5 ファンレスなら音はしませんし消費電力も抑えられるので、使い勝手もモビリティも向上しますね。ファンレスのモデルはこれが初めてですか?

小林:

いえ、かつてLOOX Sでファンレスをやりました。でも新LOOX Tは、CPUなどの性能の向上により、発熱量はずっと大きくなっていますので放熱にはいろいろ工夫しています。

ファンレス設計が施されていたLOOX Sのイメージ写真
Q.6 それをどうやって抑え込んだのですか?かなり難しいんじゃないですか?

小林:

発熱するパーツをできるだけ分散させて、ボディ全体で熱を逃がしています。また、メモリの位置などをちょっと工夫しています。ヒートプレートも従来よりもずっと大きなものを入れていて、全体に熱を分散させる役割を果たしています。またマグネシウム合金のボディも熱を逃がすのに役立っています。確かに苦労しましたが、ファンレスにはこだわりたかった。

小林 園昌の写真
Q.7 ファンの音って気になり出すとたまらないですよね。特に他人のマシンは(笑)。

牧野:

それともうひとつ気になるのがクリック音。自分のマシンでも、仕事で使っているときにカチカチ鳴るのが結構気になっていたんです。激しくカチカチするとなんだか切羽詰まっているみたいで(笑)。だから本当はタッチするだけで全く音がしないものを考えていたのですが、クリック感がないと逆に操作しにくいという意見があったので、反発強度を軽くすることで適度なクリック音になるよう調整しました。ずいぶん違うでしょう?

牧野 寛の写真
Q.8 そうですね。なるほどこれなら気にならないと思いますね。ほかに使い勝手というところでは、バッテリーの寿命もありますが。

牧野:

バッテリーも年々性能が良くなっていますが、バッテリー容量を増やすこと以外にも使用していない部分の電力を抑えるといった、従来から一歩進んだ省電力も必要だと考えました。そこで新LOOX Tではボタン一つで省電力設定モードに切り替えられる省電力ユーティリティを搭載しました。通常はPCカードコントローラーなど回路全体に電気が流れていますが、あらかじめ設定しておくことで、使用する環境にあわせて、必要のないところへの電源供給のオン/オフをボタン一つで切り替えることができます。

省電力ボタンのイメージ写真
Q.8 外出先で、バッテリー残量が気になるときに重宝しますね。最後に一言お願いします。

小林:

ファンレスの静かさをぜひ体験してほしいですね。

牧野:

薄く軽くコンパクトになったLOOX Tを一度手に取ってご覧いただければと思います。

LOOX T STYLE
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