ちょうど仕事時間とぶつかっていて。そりゃビデオミーティングをしているのに、下から躯体をガリガリ削る音がすると、困りますよね(苦笑)。
それだけみんな家にいるんだなと。一方で、DIY系のものはすごく売れていると聞きました。
僕らがお仕事をさせてもらった学芸大学のオーガニック系のグローサリーストア〈FOOD & COMPANY〉も、すごくお客さんが多いと聞きました。家への向き合い方も変わってきているということですよね。カツセさんは家でお仕事をされますか?
しますね。ファミレスなどに行くこともありますが、最近は自宅の方が多いです。
僕は自宅では仕事ができない人で、絶対にファミレスに行くんですが。
そう、「こんな時に普通行く⁉︎」と思う時にも行くんです(笑)。
夕飯をとって、子供を寝かしつけたら、近くのファミレスに行っていました。でも今はどこも22時半くらいに閉まってしまうので、行き場がなくなってしまって。
環境にもよりますよね。僕ももともとはあまりできなかったんですが、自分の机の周りにモノをなくして、デスクとスタンドと、少し良いキーボードだけにしたら、できるようになりました。
そうですよね。ただ、うちはオシャレすぎる家で(笑)。あえてドアを一枚もつけず、全部つながっている空間になっているんです。
開放感があって、きっとすごく気持ちいいでしょうね! 子育ての面でも扉がない方がよさそうですが、いざ作業するとなると集中しづらいですよね。
そう。仕事をしている時に、子供の声が時々「ぎゃっ!」と聞こえたりすると、「はっ!」となって。だから家で仕事がしづらいという気持ちも分からなくはないんです。ドアをつければいいだけだとは思うんですが。
扉の数だけ切り替わる、というのはあるかもしれないですね。
でもファミレスを仕事場として使いづらくなったように、自宅を充実させる分、外のお店はもしかすると、暮らしの延長の場よりかは、ハレの時にいくような特別な場所になっていくのかもしれないですよね。ハレとケのバランスが変化していくんじゃないかと思います。
ケの場としての住宅と、ハレの場としての飲食では、どんな向き合い方の違いがありますか?
住宅は、使い勝手が一番で、耐久性と飽きのこないデザイン、そして住む人の好みを重視しています。一方でお店は、何か少しキャッチーなデザインが入っていないといけないなと考えています。
そうですね。だから、今回のAOI COFFEEは、素材は合わせて、椅子は鈴木の友人の横田純一郎くんというプロダクトデザイナーに頼みました。