では、キーボードの操作性の4つの評価ポイントは、「MGH series」ではどのように具体化されたのか。
まず、「文字の見やすさ」。キーボードの色も文字が見やすい白にし、キートップの文字の形も大きく見やすい「ユニバーサルフォント」を採用した(PHOTO 1参照)。
さらに、デザインを担当した総合デザインセンタープロダクトデザイン部チーフデザイナーの川見充彦によれば、「実は、MGH seriesと同じ筐体を利用してパーソナルユーザー向け製品も販売されており、その製品では若者を意識してキーボードの色に黒を採用しています。ビジネスユーザー向けのMGH seriesで、敢えてキーボードの色を白にしたのは、より幅広い年齢層の方々が長時間業務で利用することを配慮してのことです」ということだった。
次に「キーレイアウト」。“Enterキー”は拡大、使用頻度の高い“Ctrlキー”、“Deleteキー”、“Escキー”は、利用しやすいようにキーボードの四隅に配置。特に“Ctrlキー”については、「OSの進化などにより使用頻度が減ってきた“Fnキー”と入れ替え、デスクトップ用キーボードと同じ左下角に配置するよう改めました」と、モバイルPC事業部第三技術部の大西益生は説明する。
また、カーソルの移動などに使う“矢印キー”についても、他のキーより一段下げ、逆Tの字の形で右下に独立させ、手探りで位置が分かる工夫を加えている(PHOTO2参照)。日本語入力時に頻繁に使用する“スペースキー”、“変換キー”、“無変換キー”は、他より大きめにするとともに、他のキーに比して僅かに凸型に高くすることで操作性を改善した。
「打鍵感」はどうか。キー内部のゴム・パンタグラフを改善し、ぐらつきのない安定感を実現した。さらに、デスクトップ用キーボードに近い操作性を実現するために、制約の多い薄型・軽量ボディの中で、19mmのキーピッチと3mmのキーストロークを確保している。
そして「タイピング操作のしやすさ」。デザイン担当の川見は「キー入力時に手のひらをのせるパームレスト部分をラウンド形状にすることにより(PHOTO 3参照)、手のあたりをやわらかくしています。トラックパッド下に設けられた“スクロールボタン”(PHOTO4参照)には、触ってすぐに何か分かるよう立体感をもたせました。シリンダー形状の採用により、小さな力で確実に押すことができます」と語る。

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