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富士通のFeliCaソリューション

ソリューション紹介 先進導入事例 開発物語
FMV-LIFEBOOK開発物語 世界初のFeliCa対応リーダ/ライタ内蔵ノートPC セキュリティと利便性を両立
世界で初めて「FeliCa」対応のリーダ/ライタを内蔵したノートPC「FMV-830NA/L」の開発メンバー
試作はOKでも組み込むとNG
PHOTO 2 FeliCa対応リーダ/ライタモジュールの写真

PHOTO 2 FeliCa対応リーダ/ライタモジュール
FeliCa対応リーダ/ライタを内蔵したPCを開発するには、当然ながらソニーの協力は欠かせない。そのソニーよりも先に、世界初のFeliCa対応PCを開発しようというのだ。「ソニー関係者の方々の理解がなければ、この製品は生まれていません」と、ソニーとの折衝に当たった吉田は言う。

実際の開発過程でも、チームはいくつかのハードルに直面した。たとえば、FeliCa対応カードとFeliCa対応リーダ/ライタモジュール(PHOTO 2)の間の通信の問題。カードとPC本体内のモジュールは情報を電波でやり取りするが、その通信性能を十分引き出すためには試行錯誤を重ねる必要があった。PCの構造全体に目配りした槻(けやき)学(モバイルPC事業部第一技術部)によれば、「試作のモジュールでは通信できても、それを筺体に組み込むとうまく動作しなかったことがありました。モジュールの中のアンテナから電波がうまく飛ばない。周囲の金属体が電波を遮蔽していたのが原因でした。この問題は、磁性体シートによって電波の通り道をつくることで解決しました」という。
PHOTO 3 FeliCa対応リーダ/ライタを内蔵した富士通ノートPC「FMV-830NA/L」の試作モデルとその構成パーツ(中央に小さくFeliCa対応リーダ/ライタモジュールが見える)の写真

PHOTO 3 FeliCa対応リーダ/ライタを内蔵した富士通ノートPC「FMV-830NA/L」の試作モデルとその構成パーツ(中央に小さくFeliCa対応リーダ/ライタモジュールが見える)
また、FeliCa対応リーダ/ライタモジュールをPCに組み込んだときに、モジュール内のアンテナはFeliCa対応カードと通信しやすくするため、モジュール中央にアンテナを置く必要があったが、これも設計陣を悩ませた。「アンテナをセンターに置き、なおかつそのサイズを大きくしたい。そうすると、ほかの部品を置く場所が少なくなります。最適のバランスを試行錯誤しました」(瀧本)。

電波を飛ばすのに大きな電力を使えるのであれば話は簡単だ。しかし、PCではそうはいかない。微小電力という制限があり、しかもアンテナのサイズにも限界がある。その中で、支障なく通信できるレベルをクリアするため何度も実験が繰り返されたのだ。

ノートPCに新機能を盛り込む際にいつも高いハードルとなるのが、パーツをいかに小さく薄くするかだ。FeliCa対応リーダ/ライタモジュールも例外でなかった。吉田は「当初モジュールはかなり厚かったのですが、最終的には2.6ミリまで薄くしました。ここも苦労したところです」と振り返る(PHOTO 3)。
カードの抜き忘れがない非接触型ならではのメリット
こうして誕生したFeliCa対応リーダ/ライタは、富士通「FMV-LIFEBOOK」シリーズのA4ハイスペックモデル「NA/L」に搭載されている。接触型ICカードの制約を解消し、外付けのリーダ/ライタも不要な新製品。セキュリティソリューションの重要な要素として、多方面で役割を果たすことが期待されている。

その一例として土村が挙げるのは、病院におけるソリューション。「個人の重要情報を扱う病院は、セキュリティに非常に厳しいところです。すでに電子カルテなどの情報化を進めている病院の多くでは、医師や看護士が接触型ICカードでPCを利用しています。その場合、急患のときなどにはPCにカードを差し込んだまま、その場を離れてしまう恐れもあります。その際、もしPCが盗難されたりすれば大問題。身分証としての非接触ICカードを首にぶら下げておけば、PCを離れるときにカードを置き忘れる心配はありません。しばらくすると、画面も自動的にロックされますし……」。

いまでは、接触型ICカードを社員証として使っている企業は多数ある。PCの本人認証やアクセス管理、社員食堂での精算、入退室管理などに用いられているが、ときに接触型ならではの少々困った事態も発生する。たとえば、自分のデスクでPCに向かって仕事をしているときに、ちょっとした用事で部屋を出るとする。ICカードを抜き忘れて退室すると、入ろうと思っても入室できない。同僚が部屋に残っていればいいのだが、1人で仕事をしている場合にはまさに“非常事態”。PCに差し込む必要のない非接触ICカードなら、そんな心配もない。

こうした意味で、非接触ICカードは単に接触型ICカードの代替にとどまらない、新しい可能性を提示しているといえよう。

「プロジェクトの初期、実際にうまく動くだろうかという不安はありました。世界初ですからリスクがあるのは当然です。しかし、そこに敢えて挑戦しようという開発者のスピリットで、今回の発売にこぎつけることができました。技術者の強い思いは、私たちマーケティング部門にも伝わってきました」。これはプロジェクト全体を振り返っての、丸子の感想だ。

非接触ICカード技術方式「FeliCa」対応のリーダ/ライタを世界で初めて内蔵した「FMV LIFEBOOKシリーズ」A4ノートモデル「NA/L」は、2004年10月14日にプレス発表。そして10月20~22日に東京ビッグサイトで開催されたセキュリティ専門イベント「Security Solution2004」(主催:日経BP社)で初めて一般公開された。

利便性とセキュリティの両方を追求した「NA/L」は、実際の業務の中でその力を十分に発揮することだろう。
世界初のFeliCaリーダ/ライタ内蔵ノートPC ネットセキュリティ専門展「Security Solution 2004」で初公開
世界初のFeliCaリーダ/ライタ内蔵ノートPC ネットセキュリティ専門展「Security Solution 2004」で初公開の写真
世界初のFeliCaリーダ/ライタ内蔵ノートPCである富士通の「FMV LIFEBOOKシリーズNA/L」が、2005年10月26~28日に東京ビッグサイトで開催されたネットワークセキュリティ専門展「Security Solution 2004」(主催:日経BP社、後援:経済産業省/総務省)で初めて一般公開された。FeliCaに馴染みがある玄人筋の関心は強く、「モバイル機種にも搭載してほしい」、「内蔵機種を増やしてほしい」、「既に導入しているFeliCaカードは使用できるのか」、「セキュリティもさることながらJR東日本が導入しているSuicaカードの履歴がそのまま読めるのは便利だ」といった声が聞かれた。

同展には合計116社が、ネットワークセキュリティ、認証・暗号セキュリティ、入退室管理・個人識別システム/装置などのネットワークセキュリティ関連製品を展示・紹介した。初日は台風23号接近の余波で出足が鈍ったが、会期3日間で併催セミナーも含めて延べ2万7000人以上が訪れた。
開発メンバー紹介

和田篤志氏写真 丸子正道氏写真 土村忠生氏写真 瀧本 剛氏写真 吉田慎二氏写真 槻(けやき) 学氏写真
パーソナルビジネス本部
ユビキタスクライアント事業部
和田篤志
パーソナルマーケティング統括部
丸子正道
プラットフォームソリューションセンター
システムプロダクト技術部
セキュアプロダクトプロジェクトリーダー
土村忠生
モバイルPC事業部
開発部
瀧本 剛
モバイルPC事業部
開発部
プロジェクト課長
吉田慎二
モバイルPC事業部
第一技術部
槻(けやき) 学

FMV-830NA/Lの詳細はこちらをご覧ください。
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※ FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
※ FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式です。
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