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PHOTO 2 FeliCa対応リーダ/ライタモジュール |
FeliCa対応リーダ/ライタを内蔵したPCを開発するには、当然ながらソニーの協力は欠かせない。そのソニーよりも先に、世界初のFeliCa対応PCを開発しようというのだ。「ソニー関係者の方々の理解がなければ、この製品は生まれていません」と、ソニーとの折衝に当たった吉田は言う。

実際の開発過程でも、チームはいくつかのハードルに直面した。たとえば、FeliCa対応カードとFeliCa対応リーダ/ライタモジュール(PHOTO
2)の間の通信の問題。カードとPC本体内のモジュールは情報を電波でやり取りするが、その通信性能を十分引き出すためには試行錯誤を重ねる必要があった。PCの構造全体に目配りした槻(けやき)学(モバイルPC事業部第一技術部)によれば、「試作のモジュールでは通信できても、それを筺体に組み込むとうまく動作しなかったことがありました。モジュールの中のアンテナから電波がうまく飛ばない。周囲の金属体が電波を遮蔽していたのが原因でした。この問題は、磁性体シートによって電波の通り道をつくることで解決しました」という。 |