Windows Vista には、システムが不安定になったり、動作が正常に行えなくなったりするなどのトラブルが発生したときに、発生した以前の状態に戻す「システムの復元」が搭載されています。

システムの復元を行うときは、あらかじめ「コンピュータの管理者」権限をもつユーザーアカウントでログインしてください。
復元ポイントについて
システムの復元では、Windows のシステムファイルやレジストリに加えられる変更を監視しており、システムが不安定になったり、動作が正常に行えなくなったりしたときに、監視している情報を使用して変更を元に戻す(ロールバックする)ことができます。
この監視している情報を記録したものが、復元ポイントです。
復元ポイントは、自動的に作成したり、手動で作成したりできます。
アプリケーションと周辺機器について
周辺機器の設定や、ドライバをインストールした以前の復元ポイントへシステムを復元したときは、もう一度、周辺機器の設定や、ドライバのインストールが必要です。
また、アプリケーションディスクからアプリケーションのインストールをした以前の復元ポイントへシステムを復元したときも、もう一度、アプリケーションのインストールが必要です。

アプリケーションのアンインストール処理の代わりに、システムの復元を使用することはできません。
消去されるファイルについて
システムの復元では、拡張子が「.exe」、「.dll」など、システムファイルのすべての動作を監視しています。
作成されている復元ポイントには、その後のタイミングで実行された監視しているファイルの情報は保存されていません。
そのため、必要な情報が保存されていない復元ポイントを使用してシステムの復元を行うと、これら監視しているファイルを使用するWindows の機能やアプリケーションに、問題が生じる可能性があります。

次の主なファイルはシステムファイルではないため、システムの復元で監視されていません。
そのため、システムの復元を行っても削除されません。
- 「.txt」、「.doc」、「.xls」など、ご自身で作成されたファイル
- 「ドキュメント」フォルダに保存されているファイル
- ごみ箱に保存されているファイル
- インターネット一時ファイル
パスワードの処理について
次のようなシステムに関連のあるパスワードの設定が可能な項目に、パスワードを設定しているときは、作成する復元ポイントにもそのまま記録されます。
- Windows のログインパスワード
- コンテンツアドバイザのパスワード
作成されている復元ポイントよりも後にパスワードを変更しているときは、その復元ポイントに、変更後のパスワードは記録されていません。
そのため、その復元ポイントを使って復元したときは、復元ポイントを作成したときのパスワードで復元されます。

指紋認証ユーティリティ(Softex OmniPass)やその他のアプリケーションで、パスワードを記憶して自動ログインする設定の場合、復元した後も、自動入力されるパスワードが、復元ポイントを作成した後に使用しているパスワードのまま、変更されない場合があります。
そのときは、復元ポイントを作成したときに使用していたパスワードを手動で入力してログインします。
復元ポイントの削除について
システムの復元で使用する復元ポイントは、お使いの環境によって、自動で削除されることがあります。
復元ポイントが削除されるタイミングは、次のQ&Aをご覧ください。
[Windows Vista] システムの復元の復元ポイントがなくなってしまいます。(新しいウィンドウで表示)圧縮情報の処理について
NTFS圧縮機能で圧縮されたファイルやフォルダの圧縮情報は、システムの復元では監視されていません。
NTFS圧縮機能でファイルやフォルダを圧縮したままシステムの復元を行っても、すべてのファイルやフォルダが復元されなかったり、ファイルやフォルダ自体が破損して開けなくなったりする可能性があります。
そのため、NTFS圧縮機能でファイルやフォルダを圧縮して使用しているときは、システムの復元を行う前に、ファイルやフォルダの圧縮を解除します。
NTFS圧縮機能で圧縮されたファイルやフォルダの圧縮の解除方法は、次のQ&Aをご覧ください。
[Windows Vista / Windows XP] システムの復元で、ファイルやフォルダの圧縮の状態が復元されません。(新しいウィンドウで表示)