このページの本文へ移動
  1.  
FMV BIBLO 開発者ストーリー
富士通がおすすめするMicrosoft(R)Windows(R)XP
ページ 1 2
「見る・録る・残す」を持ち歩くモバイルPC誕生

「モバイルだからといって、やりたいことをあきらめない」を合言葉に、指紋センサーなどの先進技術を搭載してきたFMVのモバイルPC。今回は、さらなるAV機能を手に入れました。
LOOX Tシリーズに採用している薄さ9.5ミリのモバイル・マルチベイ。このわずかな空間にテレビ機能を搭載する。「モバイルPCだからこそ、場所を選ばずテレビを楽しんでもらいたい」。そんな開発者たちの思いが、自由なスタイルで「見る・録る・残す」を実現するために、モバイルテレビチューナーを生み出しました。お客様に楽しんでいただくため、限られた時間の中ですべてに妥協を許さず開発に携わった多くの開発者たち。今回はその代表として3人のみなさんにお話を聞きました。

三浦 隆文の写真 磯部 靖彦の写真 待鳥 俊樹の写真

モバイルシーンでテレビを見るために

「モバイルテレビ」という新しい利用スタイルを提案するに至った原点はどこにあったのでしょうか。

磯部:

「モバイルPC用テレビチューナーの試作を始めたのは2年ほど前でしょうか。ようやくA4ノート用のテレビチューナーが商品化された頃でした。」

待鳥:

「そうでしたね。たしかサッカーのワールドカップが日本で開催された頃…。外出先で、何度このモバイルPCでサッカー中継を見られたらなぁ、と思ったことか。」

三浦:

「しかし、当時は一般的にノートPCでテレビ視聴ができるという認知は今ほど高くないうえに、技術的なハードルも高かった。お客様のお求め易い価格でご提供するには厳しく、商品化には時期尚早でした。」

磯部:

「そうですね。本格的なテレビ機能を搭載するのはもう少し先かなと思いながらも、必ずその時期が来ると思って、いろいろ試作を重ねていた時期でしたね。」

三浦 隆文の写真

試作から実際の開発段階に移るわけですが、そのきっかけはどんなことがあったのでしょうか。

待鳥:

「もともと当社はモバイルPCだからといって機能を制限するというよりは、1台で何でもできるエンターテインメントモバイルPCを目指してきました。本格的なテレビ機能搭載のモバイルPCをやるぞ!となったのは、それから1年ほどたってからのこと。オリンピックなどの大きなスポーツイベントをライブで見たいというお客様のニーズが顕在化してきました。そういうお客様にご満足いただけるよう“モバイルテレビ”という新しい使い方をご提案できる商品の開発が、本格的にスタートしたのです。」

磯部:

「開発がスタートという段階になって、もう一度モバイルテレビってなんだろうか、どんな商品を開発したらお客様に喜んでもらえるだろうかと、ずいぶん悩みましたよ。」

待鳥:

「開発の前提条件として、軽さ、薄さを損なわないためにも、当社のモバイルPCの特長であるDVD/CDドライブや増設用バッテリなどを交換して取り付けられる『モバイル・マルチベイ』という構造を活かすことをお願いしました。」

三浦:

「実際に商品としてお客様に使っていただく以上、中途半端な機能での商品化はできません。携帯電話などと違ってPCの画面は大きい。画質はもちろん機能や操作性なども満足していただけるレベルでないといけない。準備していたとはいえ、商品化にこぎつけるのはかなり苦しかったですね(笑)。」

LOOX Tシリーズ

薄さ9.5ミリにテレビ機能を凝縮することへの挑戦

モバイル・マルチベイという限られた空間にテレビ機能を内蔵することになったわけですが、技術的に難しかった点はどんな部分でしょう。

三浦:

「開発を進めるにあたって、モバイルPCでテレビを見るために必要な機能を徹底的に考えましたね。モバイルシーンだけでなく、家庭での利用シーンも想定しなければなりません。ハードウェア的には、画質に優れ消費電力の少ないチューナーを開発することや、各種のAVコネクターは欠かせないと思っていました。」

待鳥:

「つまり、『いつでもどこでも自由なスタイルで楽しめるモバイルPC』にしたいと。」

磯部:

「技術的にはやはり薄型化がキーでしたね。当初、私が試作を進めていたモバイル・マルチベイ・ユニットは12.7ミリのサイズだけでした。ところが9.5ミリとさらに薄いサイズのモバイル・マルチベイを次期LOOX Tシリーズで新たに採用することになり、テレビ機能を9.5ミリサイズに収めなくてはならなくなったのです。で、実際に組んでみると部品が全然収まらない(笑)。部品の点数を必要最小限まで減らしたり、ベイ内部の中継ボード上の空きスペースまで利用したり…困った挙句、実装前の部品を加工して足を短くするなど、かなりの荒業も使ってコンマ数ミリの厚みを稼いだりしました。」

三浦:

「それから、お客様が家庭で使用するときに、他のAV機器と接続できないのでは話にならない。ところが、一般家庭で使用しているアンテナ線の端子やAV端子、S端子などはサイズが大きすぎました。そこで、各種の端子に対応する変換コネクターを採用して、お客様にポータブルHDD&DVDレコーダとしても使っていただけるようにしています。」

次のページへ進む
ビブロでモバイルの楽しみを持ち出す。モバイルテレビ
開発途中のテレビチューナー・ユニット
ページ 1 2