30歳の坊主頭

他県で教職に就いている息子はバレー部の監督もしているので、とにかく忙しいらしく滅多に連絡をよこしません。「たまには元気な声を聞かせなさいよ」と言ったら、「お母さんも携帯を持ったら、メールならいつでも返事できるよ」と言い返されてしまいました。「主婦には携帯は必要ない」とずっと言い張っていた私でしたが、「それならば」と一大決心をして「らくらくホン」を持つことにしました。説明書を読み、主人に聞き、娘に教えてもらって、どうにか打てるようになったメールを息子に送りました。『試合で惨敗して、まず監督が坊主になりました。明日、生徒がどんな顔をするのか楽しみです』と、写真つきメールが届きました。『小・中学生時代を思い出したでしょう。よく似合っているよ』と打ち返しながら、30歳近い息子の坊主頭に主人と苦笑いしました。

礫石 和美さん 50代