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  FMV開発者ストーリー
富士通がおすすめするMicrosoft® Windows® XP
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大画面19型液晶&大容量ハードディスクを備えた、横置きの新しいスタイルPC。
機能美が形になった、横置きの新スタイルPC
  横置きスタイルという非常に特徴的なFMV-DESKPOWER(デスクパワー)Hシリーズ。「これ、パソコン?」と一瞬思ってしまうほど、その姿は斬新であり、AV機器としての美しさも感じさせます。「FMV 開発者ストーリー」第3弾では、このHシリーズの開発に関わった3人が、それぞれの思いやこだわり、今だから言える本音などを語り合います。   座談会の様子
 
齋藤邦彰 パーソナルビジネス本部 パーソナルシステム事業部長
Hシリーズのコンセプト発案・企画の中心人物。製品開発の先頭に立ち、「常に新しいことにチャレンジし続ける!」をモットーにする。
 
横野雅之 パーソナルシステム事業部 第一技術部 プロジェクト課長
Hシリーズを含む、デスクトップパソコンの開発全般を統括する。常に数年先の技術を見つめている、いわば未来派技術マン。
 
鎌田正一 総合デザインセンター プロダクトデザイン部 チーフデザイナー
デスクトップパソコン全般のデザインを担当。昔はマウンテンバイクのレースにも出場、今は子供と一緒に自転車を楽しむ、アウトドア派デザイナー。
オーディオやDVDレコーダーに負けないパソコンを作りたい
  齋藤 「現在、パソコン業界の流れとして、AV機能をアピールした製品が増えてきています。その中で、今回のHシリーズは、いわゆる『AVパソコン』として最高のものを作りたい、という思いからスタートした製品です。視覚的にもAV機器のイメージを強く打ち出したかったので、オーディオやDVDレコーダーといったAV機器と同じ横置きにするというのは、開発当初からの基本コンセプトでした。」
  横野 「今でこそデスクトップパソコンは、縦置きや一体型がポピュラーですが、その昔は横置きが常識でした。“久々の横置きパソコン登場!“といった感じです。」
  鎌田 「もともと、縦置きが出てきたのは、液晶ディスプレイの価格が下がってきて、パソコン本体とセットで販売されるようになってきた1998年頃からでしょうか。」
  齋藤 「その当時は『縦置き=省スペース』という認識でしたが、今は必ずしもそうとは言えません。これは、液晶ディスプレイが、近年大型化していることに起因します。」
  鎌田 「今回は、本体を横置きにし、その上にディスプレイをのせるというスタイルでありながら、『全体としてはコンパクトにまとめる』ことが大きな目標でした。パソコンは縦置きが当然と思っている今の世代の人たちには新鮮な印象を、私たちのように横置きを知っている世代の人たちには、横置きなのに薄いなあという印象を与えられると思います。」
  横野 「あの、実は、デスクパワーを最初に立てたのは、私なんです。」
  齋藤 「あっ、そうそう。」
  横野 「デスクパワーで最初の縦置きタイプの省スペースデスクトップパソコンの開発を手がけたのは、私だったんです。そして今回、6年ぶりにパソコンを寝かせる際も、再び駆り出されたというわけです。」
  齋藤 「横野さんは、ヨコのものをいったんタテにして、それからまたヨコにした、ということだ。」
  鎌田 「横野さん、横置きのコンセプトにかなり強い思いがあったようですね。」
  横野 「“ヨコの(横野)パソコン”っていうぐらいですから!ただ、『お客様の使い勝手をより柔軟にするために、縦置きにも対応させるべきではないか。』という意見も社内ではあったので、縦置きもできるように、設計を変更しました。」
  齋藤 「機能面といえば、今回はハードディスクの容量にもこだわりました。AVパソコンにおいては、DVDレコーダーとしての機能が非常に重要視されます。そこで、お客様がDVDレコーダーをどのように使われているかを考えてみたのですが、やはりテレビ番組などを数時間録画してすぐ見るというより、ある程度録り貯めて、あとからまとめて見るということが多いのではないのでしょうか。その場合、ハードディスクの容量はできるだけ大きいほうが、使い勝手が良いでしょう。」
  横野 「そこでHシリーズでは、ハードディスクを2台搭載し、最大400GBという大容量化を実現しました。最長約390時間までの録画に対応できるので、どんどん録り貯めて、気に入ったものだけを見る、という自由な楽しみ方をしていただけると思います。もちろん、AV機能だけでなく、最新のチップセットを採用し、パソコンとしての基本性能・機能にもこだわってます。」
開発途中のHシリーズの写真
開発途中のHシリーズ
 
省スペース化のイメージ図
省スペース化のイメージ
 
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AVパソコンと携帯電話、そのデザインの共通性とは?
開発途中のHシリーズの写真
開発途中のHシリーズ
デザイン案タイプAのイメージ図
デザイン案タイプBのイメージ図
デザイン案タイプCのイメージ図
  鎌田 「私は昨年6月まで、携帯電話のデザインを6年間担当していましたので、パソコンのデザインは久しぶりでした。最初は、サイズの違いを感覚的に切り替えることに、少し戸惑いもありましたが。」
  齋藤 「どう、パソコン畑に戻ってきて、最初の仕事の感想は?」
  鎌田 「やはり、携帯電話を手がけた経験が同じコンシューマ商品であるHシリーズのデザインにも生かすことができたと思います。ケータイは、デザイン表現が非常に重要になっています。もはや、アクセサリーの一部ですから微妙なテイストの違いやクオリティー表現にこだわってきました。HシリーズもAVパソコンとしての高級感や機能美の表現が重要です。それと部屋のインテリアとしても違和感のないデザインをイメージしました。ここがケータイとの違いですね。」
  横野 「お客様の感性に訴えるために、かなり細部までこだわっていましたよね。」
  鎌田 「特にこだわったのは、光の演出効果ですね。正面のミラーパネル部分にアイコンをレイアウトして、その後ろからLEDを当てることで、アイコンがほんのりと光り、ミラー上に浮き上がって見えるようにしました。お客様がDVDを見るときなどは、部屋の照明をちょっとおとして、映画館っぽくすることもあると思うんです。暗がりの中では、このアイコンがイルミネーションとして良いムードを演出してくれるはずです。」
  齋藤 「AVパソコンの場合、こういった演出は、お客様に楽しんで使っていただくために不可欠な要素だよね。単に装飾的というのではなく、機能美を追求する、ということかな。」
  鎌田 「デザインを決定する際にも、社内から出てきたさまざまな意見が、とても参考になりました。初期のデザインでは、従来のパソコンと比べて、どこまでAVテイストを盛り込むか、あるいはまったく新しいデザインなのかについて、いろいろな意見が出ましたね。タイプAは、現行機種のデザインに近いため、もう少し斬新さが欲しい。タイプBは、オーディオ機器の印象が強すぎるため、もう少しパソコンらしさを入れたい。タイプCは、オブジェ的で台座のような安定感があるが、上にディスプレイを置いたときに重すぎるイメージがあるから、もう少しスマートで先進的な感じにしたい、など。」
  横野 「確かに、横置きスタイルとしての完成度が高く、デジタル家電としての新しさを感じられるデザインを目指して、いろいろと検討をしましたね。」
  鎌田 「最終的には、薄くコンパクトなスタイルを実現するために下半分をきゅっと絞り込み、カラーリングでも上半分を明るく、下半分を暗くして強いコントラストをつけることでスマートさを出しています。さらに正面のミラーパネル部分とそれをオーバーハングさせて、そこに視線を集めることにより、高さを抑えたタイトなイメージにしました。今回のデザインではAVを志向した新しい魅力的な商品に仕上げることができたと思いますね。」
  齋藤 「今回は幅の目標サイズも設定しました。一般的なAV機器というのは、430mm程度の幅が標準的です。Hシリーズはオーディオラックに入れて使っていただくことも想定し、AV機器のサイズを意識して設計しました。」
  横野 「目標のサイズに合わせるため、部品レイアウトの決定に結構時間がかかりましたね。」
 
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冷却条件決定のため試行錯誤を繰り返し、何度となく温度・騒音測定を行った  
冷却ファンの写真
冷却ファン
冷却ファンの写真
冷却ファン
  横野 「Hシリーズは基本は横置きで、本体の上にディスプレイを置きますが、その本体の上面には通風孔がほとんどありません。上面の通風孔はディスプレイの置きかたによってはふさがってしまい、装置の外の冷えた空気を安定して吸いこめなくなるためです。」
  鎌田 「デザインの面からも、お客様の視界に入る本体上面には通風孔をあけず、スッキリ仕上げたいと考えました。」
  齋藤 「一方、Hシリーズで搭載しているCPUは周波数が高く、高性能であるため、発熱量が非常に大きく、この筺体で単純に冷却すると、冷却ファンの騒音がかなり大きくなってしまいます。」
  鎌田 「かといって、本体の筺体を大きくすれば、装置内部の冷却という観点からは有利になりますが、デザインコンセプトとマッチしなくなります。」
  横野 「そこで、熱解析シミュレーションはもちろん、試作機での温度試験・騒音試験を何度も何度も繰り返し、最終的にCPUファンだけでなく、システムファンも加えて、回転数をなるべく低く抑えるようにファン制御を行うことにしました。」
  齋藤 「いうなれば、冷却ファンが“シングルス”ではなく、“ダブルス”で協力して、装置を冷やしているということですね。」
     
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