11:40 羽田空港に着くと主人は、まずメールの送受信を始めた。 移動中にメールが届いていないかの確認である。 主人はメールで仕事の連絡を行うことが多いので、メールの確認はひっきりなしに行っている。 なぜならば、緊急を要する連絡がメールで来たりする可能性が高いため、メールの確認は常に行う必要があるのだ。 今回来たメールは8通ほどなので、それほど多くはない。 12:30 空港で食事を終えた主人はモノレールに乗って、浜松町方面に向かって移動を始めた。 朝と昼で取り終えたメールの再確認を行っている。 「うぅーん、そうか...」とか 「ま、まずいなぁこれは」とか 「う、これは...」とか、メールを読む主人のリアクションは様々である。 しかし、総じて険しい顔になっていることが多いのは気のせいだろうか。 対応すべきメールを見逃していると後々とんでもないことになる可能性もあるため、このチェックは重要なようだ。 13:00 東京駅についた主人は、再度モバイルバインダーを起動した。 飛行機の中で作ったデータを、これから会う担当者の方にメールで送っているようである。 「よろしかったら事前に目を通しておいて下さい」という意味のメールが送られたのだが、追伸として「添付した原稿はプリントアウトしておいて下さい」とも書かれていた。 打ち合わせの担当者もいい迷惑である。 主人は早急にモバイルで使用できるプリンターを購入した方が良いだろう。 東京駅の構内は携帯電話の着信が悪いらしいので、主人はメールの送受信をあちこち移動しながら行っていた。 メールを送るのも楽ではないようである。 13:30 打ち合わせが始まった。 主人はMicrosoft(R)Pocket Wordで資料を作成する場合、保存形式をWord 97/98文書にしていた。 これがPocket Word文書で保存されると、パソコンのWordでは見えない可能性があるので、気を使っているようだ。 なるほど、確かに先方の担当者は、主人が飛行機の中で作った資料をプリントアウトしてくれている。 「いやぁーどうもすみません、お手数をおかけして」 など、主人はフォローしているが、この要領の良さは一歩間違えるとイヤな奴になってしまうので、皆さんも要注意である。 主人は議事録フォーマットを使って、議事録の入力を行いながら打ち合わせを行っている。 これはなかなか器用である。 私のキーボードは通常のノートパソコンに比べると小さい方なのだが、あまり主人は気にしていないようである。 私を使い始めてから、なるべくキー入力は正しいフォームで行おうと努力しているせいか、それほどキー入力は遅くはない。 しかし打ち合わせを行いつつも、実はメールを取っていたりすることもあるようだ。 正面から見たら神妙な顔に見えるが、内心は届いたクレームのメールに冷や汗をかいていたりする時もあるようだ。 18:00 今日の打ち合わせは全て終了である。 今日はいろいろな仕事をしたのだが、バッテリーはまだ大丈夫である。 主人が私のことを気に入ってくれている理由の1つに、バッテリーの持ちが良いという点がある。 通信を行うと消費電力は多くなるのだが、だいたい1日フルに使っても大丈夫なのだ。 19:00 今晩は泊まりなので、主人はビジネスホテルに入った。 ここで主人は私をACアダプタにつなげると、どこかにでかけていってしまった。 私は置いてきぼりである。 はて、彼はいったいどこに行ったのだろうか。 0:00 主人が帰ってきた。 どこかでお酒を飲んできたらしく、ややご機嫌である。 「たっだいまー」などと言いながら私に電源を入れている。 モバイルバインダーを立ち上げると、まずはメールの受信を行う。 この時間にメールを確認してもあまり意味がないのでは？と思うのだが、そのあたりは酔っていてもしっかりしているのだ。 受信したメール一覧を見て、主人の表情が変わった。 どうやら「トラブル系」のメールが入っていたらしい。 いきなり主人は酔いが醒めたようで、おもむろにシャワーに入ってお酒を抜いてから、私に向かった。 「さぁーて仕事、仕事」 本当か？これから仕事するのか？ 私には口がないのでそうは言えないが、主人はおもむろに仕事モードに突入してまった。 私と主人の長ーい夜は、まだまだ終わらないようである。

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