IC03
キーボードを科学する。(4/6)


以上、各キーボードの誕生の背景と特徴をご紹介したが、ここで、どのキーボードでも入力可能な「ローマ字入力方式」について、その特徴をみておこう。

★ローマ字入力方式
ローマ字入力のメリットは、入力に使うキー(アルファベット)が3段に配列されていてタッチタイピングが可能なこと、覚えるキーの数(26文字)が少ないことだ。
逆にデメリットは、「かな入力」なら1ストロークで済むところを、(母音以外は)2ストロークしなければならない点。さらに、日本語を頭のなかでローマ字に変換しなければならないことだ。慣れないうちは、「『ぢ』『びゃ』『でゅ』って、どう打つんだっけ?」ということも、ままある。もちろん、アルファベットの配置は、日本語の頻出度とは無関係。ローマ字入力をする人なら、誰でも、『あ』が左手の小指に配置されている不合理に気づいているだろう。

●キーボードの仕様比較表
親指シフト JIS新JIS
かな配置3段4段3段
かなキー数30キー48キー32キー
シフト位置中央(親指キー)両サイド(小指シフト)両サイド 小指シフト)
打鍵に
必要な
ストロ
ーク数
清音1ストローク1ストローク1または2ストローク
濁音1ストローク2ストローク2または3ストローク
半濁音1ストローク2ストローク2または3ストローク
拗音・促音1ストローク2ストローク1または2ストローク
句読点1ストローク2ストローク1ストローク
数字かなモードのまま入力可能英数モードへの切替が必要かなモードのまま入力可能

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