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意外と知らない、3年持つとわかる「スマホのコスト」

 スマートフォンを導入するにあたって、本体購入の初期費用も重要だが、毎月かかるランニングコストのことも頭に入れておく必要がある。フィーチャーフォン(ガラケー)と違い、通話だけでなくデータ通信料が必要だ。結果、意外にコストがかかると気付くかもしれない。製品選びも重要だが、大手の通信事業者(キャリア)にするか、MVNO事業者を選択するかへの考慮も必要だ。また、使い続けていると、どうしても故障したり破損したりというケースも出てくるはず。スマートフォンのライクサイクルも考えた上で、サポートのコストについても配慮すべきだ。そういった、スマートフォンを維持するコストについて考えてみよう。

通信料を考えるには契約形態から理解する

 まずは通信コストから見ていこう。MVNOの登場により、購入先が大手通信事業者だけだったものがMVNO事業者でも可能になり、メーカーからSIMフリースマートフォンを購入して、事業者を選ぶなど、購入方法も幅が広がった。企業で従業員に持たせる端末を考える際、フィーチャーフォンと同じ法人営業窓口に問い合わせをし、そのまま同じ通信事業者を選択するのも一つの手ではある。サポートも充実していているし、故障や動作しないといったときの対応も迅速だろう。ただ、コスト面から見ていくとMVNOとの差はかなりあるのは事実だ。

 現在のスマートフォンの契約は、基本的に音声通話を利用するか否かを決め、データ通信量を定額にして月に何GB利用できるか選択することで、毎月支払う料金が決まる。データ通信量が多ければ多いほど価格は跳ね上がるが、月の使用量が契約しているデータプランを超えてしまうと、低速での通信のみになってしまい、そのままでは仕事にならない。
 追加料金を払う必要がある。月にどのくらい使用するかの塩梅がキモになり、あまりに毎月の使用量と契約しているデータプランがかけ離れていると、ムダなコストがかかることになる。翌月に余った通信量を持ち越せる場合も多いが、それでも持ち越せるのは1ヵ月まで。そこで使い切らなければムダになることになる。
 もちろん、月ごとに契約を変更することは可能なので、当初のデータプランより実際の使用量が多かったり、逆に少なかったりしたら、それに合わせてデータプランを変更すればいい。こうすることでムダなコストをカットできる。
 また、個人向けプランにある家族でシェアできるのと同様、従業員でシェアするプランも用意されている。この場合は、大きめのデータプランを契約し、従業員何人かで分けあって利用する。データ通信が多い人、少ない人とさまざまな人がいても、1つにまとめてシェアすることでムダが少なくなる。こうすることで、個人ごとに契約プランを見直す必要がなくなり、手間暇もコストも抑えられることになる。

スマートフォンの導入で音声通話の頻度は下がる

 データ通信だけでなく、音声通話に対しても気に留めたい。かけ放題プランや無料通話付きプラン、社内への通話は定額などのプランが用意されているケースが多いが、スマートフォンに変わったとき、本当に電話を利用しているのか検討・調査すべきだ。連絡のやり取りは電話だけでなく、メールやメッセンジャー、チャットといったアプリを利用する場合が増えてくるはず。通話しないことはないと思うが、1ヵ月にどのくらい通話するのか、その通話料はかけ放題や無料通話の額を超えるのか。それによってプランを選択するのが賢い手段だ。最近は、一定時間だけ料金のかからないプランも出てきている。1回の通話が5分、10分と短いことが多いのなら、こうしたプランを選択することでコストを抑えることもできる。
 このようにさまざまな契約形態があることを踏まえ、コストに見合った事業者を選ぶことが肝要だ。大手通信事業者ではなくMVNO事業者の場合、法人契約を行なっていない場合も意外とある。一方で法人に配慮したMVNO事業者もあり、BIGLOBEモバイルの場合、利用しているSIMカードの管理や通信量の確認、プランの変更もできる「BIGLOBEオフィスサービス」という管理機能を提供している。そのぶん毎月の料金は加算されるが、多くのSIMを一元管理できることは管理者の負担を大幅に軽減してくれる。通信料だけでなく、こうしたサービスがあるか否かについても目を向けたほうがいい。

長期的に見ると大手通信事業者とMVNO事業者でかなりの差に

 ここで、代表的プランで大手通信事業者と格安SIMのMVNO事業者との価格を比較してみよう。契約する数や割引、複数人でシェアするなどによって料金に差は出てくるが、単純に1社員が1ヵ月利用するときの通信料で、途中プラン変更もせず3年間使い続けた場合を単純に計算した結果だ。

大手通信業者 格安SIM
月額音声通話料金(かけ放題なし) 980円 2150円
月額データ通信料(5GBプラン) 5300円
1ヵ月の利用料 6280円 2150円
3年間利用した場合の利用料 22万6080円 7万7400円

その差14万8680円

※価格は消費税のほか、ユニバーサルサービス料など、その他かかる費用は含まず。
※大手通信事業者はNTTドコモでシンプルプラン(2年契約)+データMパック+SPモード、格安SIMは楽天モバイルで通話SIMの5GBプランを選択した場合の料金として計算。

 上記のとおりあくまで単純な計算だが、コストだけを考えると1契約あたり3年間で15万円近くの差になる。もちろん、回線品質やサポート体制の違いはあると思うが、100人ぶん契約したらかなりの経費の差になるので、どちらをとるのか天秤にかけたくなるのも事実だろう。複数人でシェアするなどで、料金差も出てくるためいろいろなパターンを検討しどの事業者を選ぶか決めることをお勧めする。MNPも利用できるので電話番号の変更なく乗り換えも可能なので、乗り換えによる不安要素はないはずだ。

導入するスマートフォンの信頼性によってコストが変わる

 スマートフォンを導入するコストとして、通信料だけを気にすればいいというものではない。購入するスマートフォンのサポートに対しても目を向けるべきだ。個人向けのスマートフォンを導入してしまうと、メーカー保証は概ね1年。これだと、スマートフォンのライフサイクルを考えると、保証されない期間のほうが長くなってしまう。ここは、法人向けのスマートフォンを導入するほうが得策だ。概ね保証期間は3年と長く、故障だけでなくうまく動作しないといった相談にも乗ってくれるので安心して利用できる。
 もっとも落下や水没にも耐えられるような、堅牢性や耐久性の高いスマートフォンを導入するほうが、故障や修理に出す回数も減るためよりコストの削減にもつながる。最近は、安価なスマートフォンがいろいろとあるが、本体購入コストを削ったために、故障や破損して修理を依頼する回数が多かったり、結局買い換える羽目になったりする可能性を考えると、削ったコスト以上にかかってしまうことが多い。コストを考えるときは、購入したときだけではなく、ライフサイクルを見据えて3年、4年先のことも考えて判断すべきである。

                     ◆

 このようにスマートフォンの導入は、どこにコストを掛けて、どこを削るべきか正しい判断が求められる。コストが上がるとはいえ、働き方改革を推進していくいま、スマートフォンの導入は作業効率アップにつながり、かかったコスト以上の見返りが見込めるはずだ。最近はBYOD(私的デバイスの導入)を取り入れている企業もある。仮にMDM(モバイルデバイス管理)やEMM(エンタープライズモビリティー管理)を活用して登録・管理しても、私的スマートフォンではあるため、セキュリティー的に不安があることは否めない。しっかり企業が導入した法人向けスマートフォンを社員に支給することが、企業の信頼性アップにも貢献するはずだ。そのうえで、どうコストを下げるのか、短期ではなく長期的に見据えて、導入するスマートフォンや通信料を検討してほしい。

文/ASCII編集部

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