無線LANのセキュリティについて教えてください。

無線LANの電波は、範囲内であれば障害物（壁など）を越えて、周囲一帯に発信されています。
そのため、電波の範囲内に悪意のある第三者がいた場合、パソコン内の共有ファイルを盗み読みされたり、無断でインターネットを利用されたりする可能性があります。

このような不正アクセスを防ぐためには、無線LANのセキュリティ機能を理解し、活用することが有効です。

本Q&Aでは、無線LANの代表的なセキュリティ機能を紹介します。

データの暗号化

無線LANの通信を暗号化し、セキュリティを高めます。
代表的な暗号化の規格は、次のとおりです。

• WEP（Wired Equivalent Privacy）
  
  古い暗号化の規格で、セキュリティに問題があることが確認されています。
  現在は利用しないことをお勧めします。
  
  
• WPA（Wi-Fi Protected Access）
  
  WEPよりもセキュリティが強化された規格です。
  より新しいWPA2 / WPA3の利用をお勧めします。
  
  
• WPA2（Wi-Fi Protected Access 2）
  
  WPAよりもセキュリティが強化された規格です。
  セキュリティが強固なAESという暗号化方式に対応しています。
  
  WPA2にもセキュリティ上の問題（脆弱性）が確認されています。
  このため、パソコンやタブレット、無線LAN製品（無線LANルーターなど）のソフトウェアは、最新の状態で利用されることをお勧めします。
  
  富士通製品については、次のホームページをご覧ください。
  
  無線LAN 認証／暗号化技術WPA2およびWPAに関する脆弱性のお知らせ
  
  
• WPA3（Wi-Fi Protected Access 3）
  
  WPA2の脆弱性に対応し、セキュリティが強化された、最新の規格です。（2022年7月現在）
  今までのPSKに代わり、SAEという仕組みを使って認証します。

SSIDのステルス機能

SSIDとは、無線LANのネットワークに付ける名前です。ESSIDと呼ばれることもあります。

SSIDは、無線LAN製品（無線LANルーターなど）が発信しています。
パソコンなどには接続可能なSSIDが一覧で表示され、その一覧の中から目的のネットワークのSSIDを選択して接続します。

SSIDは、無線LAN製品の電波の範囲内であれば、パソコンやスマートフォンなど、無線LANを受信できる不特定の機器に表示されます。

SSIDのステルス機能とは、パソコンなどにSSIDを表示しなくする機能です。

SSIDのステルス機能を有効にしたネットワークに接続するには、SSIDを手動で入力する必要があります。
この機能によって、SSIDを知らない第三者からの不正アクセスを防止します。

MACアドレスフィルタリング

MACアドレスとは、ネットワークアダプター（無線LANや有線LANなどの、ネットワーク接続機能を提供する部品）に割り当てられている英数字のことです。
ネットワークアダプターの身元を証明する戸籍のようなもので、世界に同じものが2つとない固有の値が割り当てられています。

MACアドレスフィルタリングとは、無線LANルーターや無線LANアクセスポイントに接続を許可するMACアドレスを登録し、接続できる機器を限定する機能です。
この機能によって、MACアドレスを登録していない、第三者の機器からの不正アクセスを防止します。