これが目に入らぬか!
55歳にして、初めて手に入れた携帯。それが、薄水色のらくらくホン。老眼が進んでいることもあって、大きく見やすい表示には、日常生活の折々に助けられてきた。斬新なデザインの最新の携帯も魅力的なのだが、私の掌には丸みを帯びたこの形がしっくりと馴染んで、なぜかほっとする。自動車にたとえるならば、昭和30年代に「かぶと虫」とか「てんとう虫」という愛称で呼ばれたかつての名車のような。薄型でなくても、機能満載でなくてもいい。マイペース、スローライフをめざす私に、これほどフィットするグッズは少ない。日々のコミュニケーションツールとして、また、同世代の友人たちとの交流時に「これが目に入らぬか!」と言える定番グッズ?(笑)として、これからも仲良く付き合っていきたい、そう思っている。
綾部 健二さん 50代