未来のビジネスチャンスと
今をつなぐヒント

Produced by 富士通コネクテッドテクノロジーズ

メニュー

HOOTERSに直撃!拡大するインバウンドに対応するためのサービスのあり方

2020年に向けて訪日外国人が増加する中、もっともデリケートな領域は飲食業界である。"ハラール"に代表されるような食事におけるタブーは、コミュニケーションロスなど、新たな問題とも直結しやすく、国内でも改善策が求められている。はたして、増加の一途をたどる訪日外国人と相対している飲食業界では、これらの問題にどのように応対しているのだろうか?

そこで今回は、タンクトップ&ホットパンツ姿のウェイトレス"フーターズガール"で有名な、アメリカ発のカジュアルレストラン「HOOTERS(フーターズ)」を訪問。「HOOTERS赤坂店」の米満悠人店長(写真:左より2人目)とトレーニングコーディネーターの足立佳菜子さん(写真:左より3人目)に、言語が通じずに苦労したエピソードや、どのようなコミュニケーションツールが求められているか?などを語ってもらった。

01.jpg

――各店舗の、外国人客の来店頻度を教えてください。

米満 全店の平均で、1日にお越しいただいたお客様のうち、約2~3割が海外の方です。赤坂店の場合、周辺のオフィスに大勢の外国人が勤めていらっしゃるので、ランチタイムは日本人よりも海外のお客様の方が多いですね。

――外国人客に対しては、どのような応対をされているのでしょう?

足立 海外からのお客様には、基本的に英語で対応させていただきます。もちろん、日本語が話せるお客様の場合は、日本語でご注文を取らせていただきますが、全店舗、いずれのスタッフも、日常会話レベルの英語までなら習得しています。

02.jpg

――それは素晴らしいですね。とはいえ、ときには日常会話以上のコミュニケーションが求められることもあるのでは?

足立 そうですね。調理方法や、食材について質問されるお客様もいらっしゃいます。そのような場合は、英語に精通したスタッフが対応するようにしていますが、英語以外の言語となると、毎回、辞書で確認しながらの応対となります。あとは単純ですが、メニューをご覧いただきながら、指差しでコミュニケーションを取る...というのも、対処法のひとつですね。

米満 同じ英語でも、第一言語として話されている方と、そうでない国の方では、言い回しがかなり違います。聞きなれない単語が出てきても、お客様をお待たせしないよう対応できるように、常に試行錯誤しています。

03.jpg

04.jpg

――もし、ハンズフリーで使える翻訳機など、便利なコミュニケーションツールがあれば、そうした接客のスタイルにも変化は起きるのでしょうか?

米満 起きると思います。まず、英語が苦手で、気遅れしていたスタッフでも、習熟度を気にすることなく、積極的にサービスに取り組めるようになると思います。先ほども話題に上がりましたが、どんなに勉強して英語や他の外国語を話せるようになっても、知らない単語が突然出てくると、思考が止まってしまうこともあります。便利な翻訳機があれば、とっさの事態にも即座に対応できるので、すごく重宝するでしょうね。

05.jpg

――今後ますます国際化が進んでいくであろう飲食業界に、何かご提案があればお聞かせください。

足立 2020年の東京オリンピックに向けて、飲食業界はこれまで以上に、外国人旅行者を意識したサービスを導入していく必要があると思います。
複数の言語に対応したメニューを用意したり、スタッフの英語教育を徹底するのも大事ですが、文化圏によって食べられる食材や、求められるサービスも大きく違ってくるので、まずは各国の歴史や文化そのものをしっかり勉強するべきですね。どのお客様にもストレスがなく、お食事を楽しんでいただける環境を作り上げていくことに、業界全体が一丸となって取り組むべき時期がとうとうやってきた...というのが、率直な見解です。

スタッフの言語スキルの育成には時間とコストがかかるのも現実ではあるが、コミュニケーションロスと食事におけるタブーは大きなリスクをはらんでいる。2020年に向けて日本の飲食店ではスタッフ全体のコミュニケーション能力の向上と均質化が急務だろう。翻訳端末などのコミュニケーションツールのIoTは、インバウンド対応に悩む飲食店の光明となるかもしれない。

文/Japan Walker編集部

このページをシェアする

あわせて読みたい

RANKINGランキング

    WORD注目のワード

    CONTACTお問い合せ

    お問い合わせ