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ディープラーニングやIoTの時代に再注目される意外な端末 ~多彩なセンサーで加速するスマホの新たな可能性

 新聞やテレビのニュースなど、一般向けでも耳にする機会の増えたIoT。Internet of Thingsの略で、日本語では「モノのインターネット化」などと訳される。
 直感的に理解しにくいが、本質は「センサー」と「その情報」の活用だ。
 技術革新によって、通信機能をごく低価格で提供できる条件が整った。結果として、機能が単純すぎて、これまでネットにつなぐ必要すらないと考えていた機器にも手軽にインターネット接続機能を持たせられるようになった。その情報をインターネットのクラウドに集め、そのデータを解析すれば、今まで気づかなかった傾向や問題点が「見える化」する。これを有効活用すれば、新しい判断やアクションに結び付けられる。
 そんな情報を集められるモノ(機器やセンサー)の数が膨大に増えている。この状況を示すのが、IoT=モノのインターネット化なのだ。

ちいさなコンピュータがいたるところに内蔵される時代

 IoT活用の上で、注目を集めているのが「シングルボードコンピュータ」だ。むき出しのプリント基板の上に、CPUやメモリー、外部接続用の端子などを備えた小型コンピュータのことをいう。名刺よりも小さなサイズで、Linuxなどパソコンと同じOSが動き、プログラミングも可能。さらにWi-FiやLANに接続できる機能も標準搭載している。このシングルボードコンピュータに、各種センサーや機器のログを集めるための機能を追加すれば、簡単にIoTが実現できる点が魅力になっている。
 特徴のひとつは汎用性の高さ。試作や設計変更を繰り返す場合でも、新たに作り直す必要がなく、手間=コストの削減につながる。機器を接続する端子類も標準的なものが多く扱いやすい。また、小型・低コスト・低消費電力であり、実際に組み込んで使う場合にも柔軟性がある。
 ひとくちにIoT機器というが、その範囲は幅広い。工場では生産設備にセンサーを取り付け、生産状況を把握したり、故障する機器の傾向をあらかじめ把握したりしておき、兆候があれば担当者に警告を出すといった応用が進んでいる。また冷蔵庫やエアコン、カギといった家電に通信機能を組み込んで、足りない食材があれば傾向を出したり、空調を遠隔地から管理したり、防犯に役立てる機能を提供するものもある。
 またAIやディープラーニングを組み合わせることで、より高度な機能を提供する機器も出てきた。例えばスマートスピーカーは人の声を適切に認識するが、これも様々な場所や状況で使われた言葉の情報を集め、認識・分析・処理に役立てているためだ。
 機器がネットにつながることで、効果的に大量の情報を集め、応用できるようになる。

コミュニケーションの道具から組み込み機器へと

こうしたIoT活用の分野では、スマートフォンの活用も進んでいる。IoT機器として使うための条件が揃っているためだ。シングルボードコンピュータでは外付けする必要がある、GPS、ジャイロセンサー、加速度センサー、照度センサー、近接センサー、画像認識やバーコードリーダとしても使えるカメラなど、様々なセンサーを内蔵。さらに身に着けられるほど小型でバッテリー駆動が可能で、防水防塵や堅牢性に配慮した機種もある。また、FeliCaや指紋を使った認証機能、ディスプレーや音声、バイブレーションなど結果を使い手に示すための機能もワンボディーに備える。もちろん通信に関してもLTE、Wi-Fi、Bluetoothと非常に多彩だ。
 例えば路面情報を確認する巡回パトロールの際に、加速度センサーとGPSを活用し、車で走るだけで道路の凹凸とその場所を自動的に収集。路面の劣化度合いを「見える化」し、早期発見する事例なども出てきている。
 防水・防塵・堅牢性能は、悪天候時に道路の異常部分を写真撮影して報告する際にも安心で、地図情報と組み合わせて提出することで、報告書の作成などもスピーディーにできるという。
 スマートフォンは通話やコミュニケーションのための機器と感じるかもしれないが、IoTを実現するための端末として、組み込み機器としての可能性も存分に秘めている。様々な機器の情報を効率的に改善を進める時代。センサーや入力・出力用の機能を小型のボディーに集約したスマホという選択肢も、面白い展開を見せてきそうだ。

文/ASCII編集部

2018.04.16

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