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働き方改革の課題、「コミュニケーション」を改善する3つの視点

 フリーアドレス化が進み、リモートワークやモバイルワークの重要性が高まりつつある昨今。社内のコミュニケーションをどう改革するかが喫緊の課題になっている。
 企業におけるコミュニケーション端末としてまず最初に思い浮かぶのが携帯電話だ。通話やメールといった基本機能はもちろんだが、スマートフォンを使えば情報共有や社内システムへのアクセスなどパソコンとほぼ変わらない使い方ができるようになっている。
 社員にひとり1台ずつ端末を持たせるのであれば、その活用方法を考えていく必要があるだろう。通話を中心に考えるならコストを最優先にするのもひとつの選択だが、より重要なのは導入の目的をどこに据えるかだ。
 堅牢性やサポート、そして重要な情報を持ち運ぶ機器に求められるセキュリティなど検討すべき内容は多く、総合的な判断が求められる。

コミュニケーションのインフラをどう整備するか

 内線はいまだに、社内コミュニケーションで使われ続けている機能となる。しかし、フリーアドレス化やモバイルワークが進むと、働く場所が固定化せず、内線そのものが設置できなくなる。これを単純にモバイル回線を使った通話やIP電話に置き換えることもできるが、従業員数が増えればその分のコストも考慮する必要がある。
 構内での通話を考えた場合、社内のWi-Fi環境を利用して、内線を構築することもあるが、移動しながらの通話で音声が途切れてしまったり、特定の場所で音声が聞こえにくくなるといった問題に直面することもある。これはWi-Fiアクセスポイントの設置場所に起因することが多い。広いオフィスでは、1台のアクセスポイントですべてをカバーすることが難しく、複数のアクセスポイントを設置する場合がある。このアクセスポイントのつなぎ替え(ハンドオーバー)がうまくいかないと、音の途切れにつながる。
 同じフリーアドレスでも比較的決まった場所で作業し続けることの多いパソコンとは異なる配慮が必要な部分と言えるだろう。
 なお、無線LANには高速ハンドオーバー規格の「IEEE802.11r」と呼ばれるものがある。これは、事前にネゴシエーションを実施し、移動中でも高速なつなぎ替えができるもの。使用する電話機が、この規格に対応しているかどうかもひとつのポイントだ。

コミュニケーションのやり方をどう定義するか

部署やプロジェクトの単位でスタッフが固まって作業をしていれば、仕事に直接関係がない日常会話も含め、おのずとコミュニケーションの機会が生まれる。しかし働く場所が異なれば、顔を合わせる機会が減り、業務に最低限必要な報告だけになるなど、やりとりする情報そのものが減少する。ちょっとした会話をきっかけにした新しいアイデアの広がりや、仕事の進め方に対する疑問の解決やノウハウの共有など、効率化とは別軸の「目的のない会話の中から生まれるアイデア」「場を共有するメリット」などが失われがちだ。
 一方でメールなどを利用したコミュニケーションはスピード感に欠く面もある。ある程度まとまった情報を共有するには適しているが、その前段階にあるブレストやアイデア交換の手段としては煩雑で、後から見返す際のノイズにもなりやすい。
 働き方改革は、コミュニケーション方法の見直しという側面がある。
 Slackやチャットワークといったコミュニケーションツールを併用し、リアルタイムのコミュニケーションと、メールやグループウェアなど既存ツールを利用した周知や共有のためのコミュニケーションを分けていく必要もあるだろう。
 グループチャットの利用により、記録も残るため、決定までの経緯もオープンとなり、仮に判断を見直す必要が生じた際にも、課題を明確化して、立ち返った対応ができる。
 最近では、社内の活動を伝えていくための社内SNSツールも活用され始めている。フェイスブックの企業版「Workplace」などはそのひとつで、報告書のような堅苦しい方法ではなく、スマートフォンを使って撮った写真や短いコメントで現在取り組んでいる仕事や、その中で直面している課題などを示し、スタッフの助けを借りられる。
 こうしたツールの利用は、部内やプロジェクトメンバー内で閉塞していたコミュニケーションを社内(や場合によっては社外の協業相手)まで拡大できる。

技術を活用する、その満足度をどう高めるか

 スマートフォンの活用は、コミュニケーションの枠を超えた、新しいタイプのコラボレーションにも有効だ。しかし、日本におけるデジタルワークプレースの活用は先進国の中で、遅れをとっている面が否めない。
 ガートナージャパンが3月に発表した統計データでは、日本の企業ユーザーは古いシステムと古い作業端末で、少なくない不満を抱えながら作業を進めている実態も明らかになった。日常的に業務で利用しているパソコンや、スマホなどの携帯電話、業務用アプリケーションなどの新しさに関して、日本では「かなり古い/2~3世代遅れ」を合わせた回答率(36%)と、他国と比べて最も高く、平均的な満足度に関してもデバイスに関しては4.65、アプリケーションに関しては4.67(7段階評価)と主要先進7ヵ国中最も低い結果となった。
 テクノロジー活用を進めるうえで、その環境整備もまた重要な課題となりそうだ。

文/ASCII編集部

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