それはすごい……、WONKで楽曲を作る時も、おのおのPCに向き合って、ベースとなるデモにそれぞれが音を足していく感じなんですか?
はい、コミュニケーションの軸はSlackで、適宜チャットルームで報告がされます。
WONKの音楽を聴いていると、その原型はジャズにあるのかなと勝手に思っていたんですけど、ジャズって、ジャムセッションから始まるものだというイメージがありました。でも今のお話だと、計算して緻密に音を乗せていく真逆の方法ですよね。
2016年頃まではセッション形式で作っていたんですが、それではあまり成長がないことに気付き始めて。ジャムってすごくライブ的で、その場、その瞬間でしか起きない化学反応が面白みだと思うんですけど、その瞬間的な盛り上がりをアーカイブしていくことと長年愛される作品を作ることは、僕たちにとってはイコールではないなと。だから2017年頃からは、腰を据えて緻密に作っていく方向に転換しました。
曲を作ることとライブをすることの探究心には、どんな違いがあるんですか?
完全に別物でもないんですよね。ライブは、録音芸術として作ったものを一番カッコよく見せるためには何が必要なのか、掛け算の考え方をしていくので。
はい。例えば、今年の末に回る予定のツアーでは、照明まで自分たちでやろうという話をしていて。曲をPCソフトで作っていると、同じシステム上で照明の色をコントロールすることもできるんですよ。作った曲のデータと照明機材へ送る信号を同じシステムにしてしまえば、曲とバッチリ合ったライティングも自分たちで設計できるじゃないか、と。
音に合わせて照明のスイッチングもできるんだ。……照明さん、いらなくなっちゃいますね(苦笑)。それもテクノロジーが発展していったから見えてきた未来ですよね。
そうですね。個人でできることがどんどん拡張され続けているなと思っています。
身近なテクノロジーの発展といえば、江﨑さんはPCをどんな基準で選びますか?
動画や音源の書き出しのような、重い作業でもサクサク動作することが何より大事ですね。音楽であれデザインであれ、考え始めるタイミングからいきなりPCに向かい合うことが多いので、直感的に操作ができるような動作スピードはマストだなと思います。